作品名 | コール(TRAPPED) |
監督 | ルイス・マンドーキ |
制作年・製作国 | 2002年アメリカ作品 |
ウィルとカレンの若い夫婦は、愛娘アビーと三人で幸せに暮らしていました。多忙なエリート医師のウィルは仕事で家を留守にすることも多く、カレンとアビーは出張に出掛けるウィルの後姿を今日も見送りました。留守番しようと仲良くカレンとアビーが自宅に戻った時から、悲劇が始まります。
居間でくつろいでいたカレンは、トイレに入ったまま戻らないアビーに気付きます。
「アビー!」
不安に駆られて家中を探していると、突然見知らぬ男が姿を現したのです。驚いて言葉も出ないカレンに、男は不敵な笑いを浮かべます。状況をやっと飲み込んだカレンは
「娘はどこ?」
と男に尋ねます。
「俺のいとこと一緒にいる。いとこは携帯電話を持っていて」
男は怯えるカレンの顔を嬉しそうに見ながら
「30分ごとに連絡がなければ、娘を殺す」
カレンが抵抗しないよう、さらに男は続けます。
「俺が無事でいるかぎり、娘は無事だ」
「何が望み?」
「これは身代金目的の誘拐だ」
と、アビーを誘拐したことを告げます。
「今まで四回やって失敗はない。24時間で終わる。どんな予定外の行動もなしだ」
その言葉を聞いて、カレンは激昂します。
「あの子はひどいぜん息なの! ストレスやタバコの煙でも発作を起こすわ! 発作が起きたら薬がなければ助からない!!」
そして男にすがりつき
「いとこに今すぐ電話して!」
と頼みます。計算外の事態に苛立つ男。しかし、娘を死なせては、完全犯罪が成り立ちません。携帯電話を取り出して
「今、どこだ?」
といとこの居場所を確認します。
「連絡が早いぞ。もうすぐ着く」
「家に着いたら、子供を静かにさせてろ」
アビーのぜん息は予定外でしたが、男は計画を続行します。カレンの前に現われたこの男こそが、誘拐グループのリーダー、ジョン。三つの場所、三人の誘拐犯、三人の人質という彼らの企みは、家族を孤立させ、警察に通報できないようにすること。そして、24時間以内に金の受け渡しを終わらせること。指示に従えば誰も傷つけないルールでした。
万が一父や母が抵抗して、グループ内の30分ごとの連絡が滞ることがあれば、子供は容赦なく殺されてしまうのです。
こうして、リーダーのジョンは母カレンを監禁し、ジョンのいとこのマーヴィンが娘アビーを誘拐し、父ウィルの前には、ジョンの妻シェリルが現われました。
「携帯電話を貸してくださる?」
ウィルに話し掛けてきたシェリルは、誘惑するような視線を送ります。やんわりと断わったウィルにシェリルは
「娘さんを誘拐したわ。こっちのルールに従えば、返してあげる」
呆気にとられるウィルでしたが、女のシェリルが相手とあって力ずくで抵抗します。しかし、30分ごとにかかってくる電話でウィルの様子をジョーに報告され、抵抗すればカレンとアビーに危害が加わることを思い知らされるのです。
「妻がいないと娘は大変なことになる!」
「娘を生かすも殺すも俺次第だ」
ジョーの冷酷な台詞に、打ちのめされるウィル。しかし「アビーがもし発作を起こしたなら死んでしまう……」という気持ちから娘を助け出すことを決して諦めない夫婦の想いがジョーの計画を少しずつ狂わせていきます。24時間で完結するはずの完全犯罪は成功するのでしょうか? そして発作を起こしてしまったアビーは、再びパパとママに会えるのでしょうか? 6人が一堂に会する衝撃のラストシーンまで、携帯電話が命を繋ぐ重要なアイテムとなる作品です。
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