作品名 | 着信アリ |
監督 | 三池崇史 |
制作年・製作国 | 2003年日本作品 |
女子大生の由美は友達に誘われた合コンの席で、不可思議な現象を目撃をします。酔っ払って盛り上がる仲間たちの声に混ざって、鳴り出した携帯電話の着信メロディ。それぞれが自分の携帯電話ではないかと確認しますが、違う様子。
「陽子、電話だよ」
「私の着メロじゃない」
「陽子の携帯が鳴ってるよ」
結局、陽子の携帯電話が鳴っていたのでした。呼び出し音が止まり、液晶には“着信アリ”の文字。
「これ私の番号……」
発信元を確認すると、なんと陽子の携帯の番号だったのです。残された留守電のメッセージを聞いてみると
「やだ、雨が降ってきちゃった」
と、陽子の声で入っていました。自分の携帯に自分の番号で電話がかかってきて、さらに着信時刻が三日後になっているなんて……。不審に思ったものの、その場は何かのいたずらと割り切って帰宅しました。それから、普段と変わらぬ日々を過ごして三日が経ち、由美の携帯電話に陽子から電話がかかってきました。
「明日、買い物付き合ってよ」
「いいけど」
「陽子、今どこ?」
「何、聞こえない?」
「この時間じゃなかったっけ」
明るい陽子の声と裏腹に、由美はなぜか胸騒ぎを覚えます。三日前、陽子の携帯に表示された着信時刻が、まさに今だったのです。
「やだ、雨が降ってきちゃった」
留守電に残っていたメッセージを陽子が発した時、由美の耳に悲鳴が響きます。陽子は携帯を持ったまま事故に遭い、死んでしまったのです。怯えながら、事故現場に駆けつけた由美に、女子高生たちの噂話が聞こえてきました。
「携帯を通じて来ちゃうんだって」
由美は陽子の事故死を不審に思い、女子高生たちに尋ねてみると“死の予告電話”について教えてくれました。発信は自分の携帯番号で、残された留守電のメッセージは自分の死ぬ間際の声、着信時刻は三日後、自分の死の予告時間だと。そして“死の予告電話”を受けた携帯の持ち主はみな、事故で死んでしまうのです。
「自分の携帯番号、着信拒否にしておいた方がいいですよ」
女子高生たちは、そう言い残して帰って行きました。三日前の陽子の携帯の着信がいたずらではないと確信し、“死の予告電話”の謎を解こうとする由美。
数日後、同じ合コンの席にいたケンジの携帯にも自分の番号で“着信アリ”のメッセージが残されていました。陽子の時と同じようにケンジ本人の声が入って、着信時刻は三日後。ケンジは深刻に受け止めていませんでしたが、またしても着信の時刻に、事故で死んでしまいます。
事故の現場に居合わせた由美は、想像を越えた何かの仕業だと思わずにはいられませんでした。では、いったい何が……、そう由美が考えているうちに、今度は親友のなつみの携帯に“着信アリ”のメッセージが届いてしまいます。恐怖で目を見開いたなつみとその背後に人の手が映った、不気味な画像まで添付されて。
親友のなつみを助けようと、由美は必死になって“死の予告電話”の秘密を調べていきます。そんな時に知り合ったのが、葬儀屋の山下でした。山下もまた、妹を不可解な事故で亡くして、その原因を追っていたのです。携帯電話を通じて呪いが連鎖していくことまでは判明したものの、真相の究明には到らず、なつみの死の予告時刻は迫ってきます。由美と山下は、なつみを助けることができるのでしょうか。そして、“死の予告電話”の正体は?
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