自己破産、買収、出資……。今週は、モバイルに関わる企業の行く末に関わるニュースが頻発した。
米国第3位の携帯電話事業者であるAT&T Wirelessに合併・買収の話が持ち上がっている。NTTドコモは同社に16%出資しており、筆頭株主。合併または買収が行われると、北米市場におけるドコモの立場も変化することから国内でも注目されている。
AT&T Wirelessに買収を打診している企業としては、米携帯電話事業者であるCingular WirelessとNextel Communicationsのほか、日本のドコモ、英Vodafoneの名前も挙がっている(1月21日の記事参照)。
米Intelの投資ファンドIntel Capitalが、日本通信に出資を行った(1月22日の記事参照)。Intelは無線LAN機能を備えたCentrinoの普及推進が狙い。CentrinoノートPCにbモバイルを同梱またはプリインストールするよう推奨していくという。
bモバイルは、DDIポケットの回線を使ったMVNO事業者。最大128Kbpsの定額PHSサービスと無線LANスポットを統合したサービスを提供している(2003年2月の記事参照)。
「IPモバイル電話で定額かけ放題」。これをうたい文句に複数のユーザーから数万円単位の初期費用を集めていたジャパンメディアネットワークが自己破産した(1月20日の記事参照)。
ITmediaでは、同社が、どのような経緯で世間を騒がせ、一部からの強い批判を受け、混乱のうちに市場から退場したのか、それを振りかえる記事も掲載している(1月23日の記事参照)。
国内で、プリペイド携帯電話に積極的な通信キャリアといえば、ボーダフォンとツーカーグループ。しかし、これまでプリペイド携帯電話ではメールの送受信ができる端末が一部にあっただけで、Webアクセスは行えなかった(4月2日の記事参照)。
ツーカーグループは、日本で初めてWebアクセスが行え、着メロや壁紙のダウンロードも可能なプリペイド携帯「プリdeEZ」を発表(1月22日の記事参照)。基本機能のレベルでは、次第にプリペイド携帯とポストペイド携帯の垣根が取り払われつつある。
来週1月30日にはKDDIの、2月4日にはNTTドコモの四半期決算が発表される予定だ。KDDIは、昨年11月末にスタートしたパケット定額制サービス「CDMA 1X WIN」についての数字がそろそろ出てきてもおかしくない。ドコモは、前後しての発売が見込まれる「900iシリーズ」についての見通しや、米AT&T Wirelessへの対応に対するコメントに注目したい。
また900iシリーズについては、コンテンツプロバイダなどのインタビューも交えて(1月23日の記事参照)、コンテンツと端末の両面から迫っていく予定だ。
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