パナソニック モバイルコミュニケーションズ製端末「P900i」の大きな特徴は、ビスを外して別売りのものと付け替えられる「カスタムジャケット」。「服や部屋など、ユーザーの生活に入り込んでいけるデザインをしていこう」(マルチメディアライフデザイングループ プロダクトデザイン国内チームの谷山示氏)というコンセプトの元に開発が進められた。
アクリル板の表と裏に箔を印刷し、クリア感と立体感を表現したジャケットは、「最近の建築デザインでは普遍的に使われている、クリアなものがボルト止めではまっていて、中が透けているような構成」を端末に落とし込こんだもの。
ジャケットは、「服や部屋など、ユーザーの生活に入り込んでいけるデザイン」を意識した10種が選ばれた。選ぶに当たっては「まず、デザインの一番(シンプルな)端の部分を真っ白なものに設定して、とんがったほうの端にZENという和風なものを持ってきた」。この2つの間に男性や女性の趣向も含めたものを分散させる形で決めていったという。
(和風の)ZENは保守的に見えながら、正反対にもなり得るものとしてラインアップされたデザイン。「社内の打ち合わせで、消えたり復活したりを繰り返した。最後に『なくなったか』と思ったら、また復活した」と、二転三転した曰くつきだ。
この10種のジャケットには、それぞれストーリーがあると谷山氏。特にユニークなのは「ZEN」だ。「掛け軸のような情景をイメージしている。パネルの手前には水の中に沈む車輪があり、その横には金魚が泳いでいる。上のピクチャーライトで月を表現、その下には鶴が飛び、その手前にはつたが垂れ下がっている──という情景」
女性向けだという「ピンクブロッサム」は「池の水面に花びらが落ちてきたとき、水の底に光が反射して映し出される花の模様を表現している」、ブラックカムフラージュは、「空から見た、夜の地表。その上に雲が浮かんでいるイメージ」というストーリーがついている。
まずは10種のジャケットで100万人のユーザーに訴求したい考え。ただし「この10色で終わらないように展開していきたい」と、パネルのラインアップ拡充にも意欲的だ。
別売りのカスタムジャケットにはQRコードが印刷され、ユーザーがアクセスすると、それぞれのジャケットにあわせた柄の待ち受け画像やメール送受信用ムービー、待ち受けFlashなどをダウンロードできる。つまり、ジャケットに合わせてソフトも着せ替えできる仕組みだ。
「パネルだけを購入する──というのではなく、丸ごと着替えられるような“カスタムキット”を購入してもらう感覚」。特に、「ZENのFlashはお勧め」だという。
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