さらに伸びた待受時間〜900iのスペック変更点(2/2 ページ)

» 2004年01月27日 21時51分 公開
[斎藤健二,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 「細かい電力制御を行うようにした。コンマ数ミリアンペア単位で消費電流を見て、処理をこまめにソフトで制御している」と話すのはシャープ。同社は「SH2101V」というPDA型のFOMA端末を開発した実績があるが、今回の「SH900i」では通信チップもイチから作り直したという。

 NECは「各チップの消費電力を減らす。基地局とのやり取りをいかにサボるか、うまく制御するようにした」と話す。W-CDMA方式では、通信に問題ない範囲でいかに処理をさぼるかが重要になる(2003年1月の記事参照)。2102Vシリーズなど2世代目のFOMAでも、ここが改良点だったが、3世代目のFOMAでもさらに改善が進んだ。

 もうひとつ、忘れてはいけないのはバッテリーの進化だ。「2102Vで800mAhだったものを840mAhに上げて、同じサイズながらセルの密度を向上させた」とパナソニック モバイル。50xなど2GのPDC端末では600〜700mAh(3.7V)の容量のバッテリーが使われることが多いが、FOMAは一回り容量の多い800mAhクラスを使っている。900iではバッテリーの大きさや重さを変えることなく大容量化を果たした。富士通も「小型化して容量も800mAhから830mAhに増えた」と話す。

端末名 F900i N900i P900i SH900i D900i
容量 830mAh 850mAh 840mAh 800mAh 780mAh
電圧 3.7V 3.8V 3.7V 3.7V 3.7V
 各社のバッテリーの容量・仕様。N2102Vは850mAhとN900iと変わらないが、FとPは、F2102V、P2102Vの800mAhから増加している

カメラ、着メロ、動画撮影〜スペック諸々

 カメラ関係のスペックは変更ないが、まとめておこう。

端末名 F900i N900i P900i SH900i D900i
メインカメラ 128万CCD 100万スーパーCCDハニカム 128万CCD 202万CCD 100万スーパーCCDハニカム
オートフォーカス × × ×
サブカメラ 11万CMOS 10万CCD 11万CMOS 11万CMOS なし
サブライト × × ×
メモリ miniSD miniSD miniSD miniSD メモリースティックDuo
 100万画素スーパーCCDハニカムは、出力200万画素相当

 有効画素数で200万画素を超えるのは「SH900i」。N900iとD900iはスーパーCCDハニカムを使い、100万画素CCDながら出力200万画素を実現している。オートフォーカスは、P900iとSH900iの2機種が搭載。全機種、メインカメラ用のライトは搭載しているが、F900iはサブカメラ用のライトも用意した。

 スペックで比較して一歩抜き出ているのはSH900i。「SH505iS」と比べても「(画質の選択肢に)より圧縮率の低い、SuperFineというモードを追加した」(シャープ)と、カメラにこだわっている。

端末名 F900i N900i P900i SH900i D900i
着メロ音源 64和音PCM 50和音FM+WT 64和音PCM 64和音PCM 48和音PCM
 WTはWaveTable
端末名 F900i N900i P900i SH900i D900i
動画最大録画時間 240分 約160分 142分 60分 60分
動画撮影フォーマット 3GPP MP4 MP4 MP4 AMV(MP4)
動画最大画像サイズ QCIF QCIF QCIF QVGA QVGA
 最大録画時間は128Mバイトの外部メモリカードに記録した場合で計算した(書き出せる機種のみ)。ビットレートは各社384Kbps前後。N900iだけは32Kbps。※外部メモリに書き出した際のF900iの最大録画時間が誤っておりました。内部メモリに保存できるのが90秒、外部メモリに直接書き込んだ場合は240分になります

 900iシリーズは標準動画機能として、メール添付して送信できる「iモーション」撮影が行える。ファイルフォーマットはMP4(3GPP)、映像コーデックはMPEG-4、音声コーデックはAMRかAACを使う。

 ほぼすべての機種が、独自の拡張により外部メモリカードを使った長時間・高画質の動画録画/再生に対応している。「3GPPではQCIF以上のサイズを定義していない」(三菱電機)ため、各社のフォーマットはバラバラだ。ただしMP4は3GPPと同等と考えていい。

 「F900i」「P900i」「SH900i」「D900i」は、テレビ番組などをメモリカードに保存して端末上で再生することを想定している。F900i、SH900i、P900iは、SDカード上の動画フォーマットとして主流のASFの再生に対応。パナソニックやシャープの液晶テレビなどで録画した動画を再生できる。D900iは、各種動画を独自フォーマットAMV(MP4互換)に変換できる「Motion Smoothy」というWindows向けソフトを付属して販売する。「1時間(録画したテレビ番組を)見ても、1時間は通話できる消費電力」(三菱電機)だと言う。

 またSH900iとD900iは、QVGAサイズの動画を60分間程度(128Mバイトメモリ)撮影することもできる。D900iは専用のケーブルを使い、撮影した動画をテレビに出力することもできる。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年