“幅48ミリ”へのこだわり〜「N900i」

» 2004年01月27日 23時45分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 「N900i」(2003年12月の記事参照)は、FOMAならではの機能(2003年12月の記事参照)を盛り込みながら、“いかに普通のユーザーに使ってもらえる外観デザインやサイズに持っていけるか”を追求した端末。狙ったのは「シンプルながら、今までとはちょっと違った、かっこいいデザインの端末」(NEC説明員)だ。

左が富士写真フイルム製の100万画素スーパーCCDハニカムを搭載したN900i。前モデルの32万画素CMOSを搭載した「N2102V」(2003年7月の記事参照)と変わらないさりげなさでカメラが搭載されている

 こだわったのは、48ミリという幅のサイズ。900iシリーズ端末の多くが持ちやすさの上限といわれる50ミリを超える中、このサイズを死守した。「手が小さい女性にも使いやすいように、N25xiシリーズ(2003年10月の記事参照)と同等の48ミリにしている。角が角ばっているとホールド感に影響するので、エッジを削って持ちやすくした」。

 幅と同時に重要視されたのが端末の薄さだ。「部品の中で一番大きなカメラをどの位置にレイアウトしたらすっきりと薄く見せられるか。チップをどのように効率よく並べるか。miniSDとFOMAカードの2つのスロットがあるので、このレイアウトにも苦労した」

 背面ディスプレイに縦長の4096色STN液晶を採用したのも、薄型化のためだ。「賛否両論あるかもしれないが、背面液晶の機能は、メールや通話の着信通知、時計などに機能を絞った。現在PDCで主流の大きな四角の背面液晶にすると、サイドに部品が並べられず、ニ重に積むことになる。すると厚み方向への影響は避けられない」。機能とサイズ、デザインのバランスをとりながら薄型化が図られた。

利用頻度の高い機能を強化

 新機能の目玉は、記録画素数200万画素の100万画素スーパーCCDハニカム搭載、目当てのシーンを撮り逃さない「チャンスキャプチャ」のほかに、もう一つある。端末をminiSDリーダ/ライタのように使える機能だ。別売りのFOMA USBケーブルを使って端末とPCを接続すると、miniSDカードがPCの外部メモリのように認識され、PCへのデータ転送が容易に行える。

ドライバなどをインストールする必要なく、端末内のminiSDを外部メモリとして認識する

 また「使用頻度が高いところを狙って機能改善する」(NEC説明員)という通り、文字入力やメールまわりの機能を強化。絵文字や記号の連続入力、ニ分割画面を有効利用する「ツインウィンドウ」といった、N505i、N505iSで好評な機能をN900iに持ってきた。

 さらに「せっかくお金をかけてダウンロードした着メロ資産を有効活用してもらおう」という意図で搭載されたのが「ランダムメロディ」。電話番号やメールアドレスに、メロディではなくメロディの入ったフォルダを割り当てられる機能だ。着信するとフォルダ内の着メロがランダムに鳴るので、“○○という曲は○○さん”というのではなく、“○○というアーティストは○○さん”といった設定が可能になる。

絵文字の連続入力など、505i系で好評な機能を搭載(左)。メガピクセルカメラは「富士写真フイルムと連携しながらきれいな絵作りをしている」(NEC)。撮影モードは5種類(中)。ランダムメロディは、着メロ資産を生かす新機能(右)

 900iシリーズ全機種が対応している、「マルチアクセス」(音声とパケット通信を同時に行える機能)を使ったユニークな機能も用意される。通話中にカメラを起動して静止画を撮影すると、通話相手のメールアドレスが自動的に表示され、メーラーを立ち上げることなく写真を送れる「スピードフォトメール」だ。通話相手側では送られた写真が自動表示されるので、簡易テレビ電話的な利用が可能だ。

機能を前面には押し出さない

 これまでも“N”端末は、“携帯電話らしさへのこだわり”を重視、デザイン面から派手な機能をアピールすることはしなかった。それはN900iシリーズでも同様だ。「機能を前面に押し出すのではなく、いかにシンプルな中にすごい機能が載っているかを見せていきたい」

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