目指したのはドイツ車のような質実剛健〜「SH900i」

» 2004年01月27日 07時31分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 オートフォーカス機構付き202万画素CCD──900iシリーズの中でもカメラスペックで群を抜くのが「SH900i」(2003年12月の記事参照)。目指したのは「ドイツ車のような質実剛健さ」だ。

 「シンプルな中に存在感を持つというコンセプト。例えば、ルイ・ヴィトンのバッグから取り出しても反発しない、“持ち物としてきれい”というところを狙った」

 ボディカラーは広く受け入れられるシルバーに加え、メリハリのきいた濃い赤とブルーをラインアップ。「光を集めるラインが多いデザインなので、光彩の陰影がはっきり出るような作り方をしている。直線と円を組み合わせた、幾何学的なデザインだ」

デジタルカメラスタイルで撮れる「SH900i」
閉じたままリモコン操作できるのは、SH505iSから引き継がれた機能。赤外線はヒンジ部にある

PCでしか閲覧できなかったデータを携帯電話でも

 AF機能付き202万画素カメラと並んで注目なのは、ExcelやWordといったPC用ファイルを閲覧可能にする“ドキュメントビューワ”機能。「今や、家庭にも職場にもPCがある時代。自分で作った書類やインターネットから持ってきたファイルは、自分用のデータベースとしてPCに保存されている。今までPCでしか見られなかったものを、いつでもどこでも携帯電話で閲覧できるようにしたかった」

 閲覧はPC内のデータをminiSDの中に入れるだけで済み、携帯電話向けに変換する必要もない。ビジネスデータやグルメ情報などを気軽に持ち歩いて活用してもらいたい考えだ。

ハイスペックなカメラを自然な形でデザインに落とし込む

 SH900iのカメラは「SH505iS」(2003年10月の記事参照)と同様底面にレイアウトされ、撮影は横撮りスタイルで行う。505iSシリーズで主流になったデジカメスタイルを900iシリーズで取り入れたのは、D900iとSH900iの2モデルだけだ。

撮影はデジカメスタイルで
閉じたまま各種設定も行える

 「携帯電話のカメラが上に載っているメーカーが多いが、デザインのバランスから考えると、メイン液晶側は薄いほうがいい。下に載せることで、カメラ周りの厚さを吸収できるし、サブ液晶をファインダー代わりに使える。一石二鳥の合理的なレイアウト」

 カメラは、デバイスとしてはSH505iSに搭載されたものと同等。しかし、スーパーファインで撮ったときのJPEG圧縮率が低く設定されているため、きれいな画質が得られるという。「SH505iSでは500Kバイトだが、SH900iでは800Kバイトくらい」

 SH900iで新たに搭載されたのが、ユーザーがダイヤルキーに利用頻度の高いカメラ機能を任意に割り当てられる「オリジナルショートカット機能」。よく使うカメラ機能にアクセスしやすいようにという配慮だ。

利用頻度の高いカメラ機能はダイヤルキーに割り当てられる。割り当てられる項目は9種類

文字を変換するように文字を飾る〜デコメールへのこだわり

 SH900iは、FOMAならではの新機能として搭載される「デコメール」のインタフェースにもこだわった。「普通のメールを入力している最中に、漢字変換するような感覚でデコメールを作成できる」

 通常のメールを作成しているときにカメラキーを2回押すと、画面の下半分に装飾パレットが表示される。パレットには数字が割り当てられ、対応したダイヤルキーを押せば、次に入力する文字から装飾が施される仕組みになっている。

 「慣れないうちはデコメールを作るのは大変。できるだけ短い操作で視覚的に分かるよう、インタフェース作りでがんばった。プレビューを選べば、どんな感じのデコメールになったかもひと目で確認できる」

通常のメール入力画面でカメラキーを2回押すとデコメールの装飾用パレットが現れる。パレットからどのような装飾を施したいかを選ぶと、次に入力した文字から反映される。左ソフトキーを押せばプレビューを見ることも

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