香港でW-CDMAサービス「3 Hong Kong」サービス開始(1/2 ページ)

» 2004年01月29日 07時55分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 1月27日、Hutchison Whampoaは香港で初めてとなるW-CDMAによる第3世代携帯電話サービス「3 Hong Kong」(Hutchison3G HK)のサービスを開始した。当初の予定は2003年夏のサービスインであったが、端末不足などの理由により約半年遅れのスタートとなった。これでHutchison3Gのサービス提供国はイタリア、英国、オーストリア、スウェーデン、デンマーク、オーストラリアと合わせて7カ国になる。

 既に1月24日から香港島・セントラルの旗艦店で実機によるデモや契約受け付けを開始しており、27日には全店での営業と携帯電話サービスを開始した。直営店は香港全域に9店舗を設置。年内にはショールームも合わせ14店舗まで拡大される予定だ。店舗は海外と共通で「3」のロゴをあしらった、シンプルで高級なイメージを出したものとなっている。

香港島・セントラルのショップではオープニングセレモニーが行われた
全面「3 Hong Kong」の広告タクシーも駆けつけた

高速データ通信を生かしたコンテンツサービス

 3 Hong KongのキラーサービスはW-CDMAの高速データ通信を生かしたマルチメディア系のコンテンツサービスだ。動画配信、VideoCall(テレビ電話)を一番のサービスポイントとしてアピールしている。

 サッカーのハイライトシーンの動画配信や、リアルタイムにストリーミング配信される交通渋滞情報などは、香港人の好みや実用性を十分考慮したコンテンツといえる。ほかにはTVニュース、映画や音楽ビデオなどのエンタテインメント系、株価情報など19カテゴリーのコンテンツが用意されている。その日のトピックスなどのコンテンツを自動で配信してくれる「DailyExpress」サービスは、コンテンツサービスにまだ不慣れな香港人には受けるかもしれない。

 VideoCallは3 Hong Kongおよび海外のHutchison3Gユーザー間、そして日本のFOMAユーザーとのやりとりが可能。当初は日本のVodafone/VGSユーザーとは接続できないが、今後海外の他のオペレーターとの接続も予定されている。

 またPCユーザーともTV電話が可能な「WebCall」「HomeWatch」サービスも提供される。どちらもMicrosoftのNet Meetingなどを使い、PCに接続されたWebカメラと携帯電話端末間でTV電話が可能になる。

 HomeWatchサービスは香港向けの実用的なサービスで、自宅のPCに接続したWebカメラの映像を、携帯電話端末から好きな時に閲覧できるというもの。香港ではほとんどの世帯が共稼ぎのため、住み込みのメイドを雇う習慣が一般的である。出先の携帯電話から常に自宅内の監視ができるということは、まさにW-CDMAのメリットを生かしたサービスといえるだろう。

国際ローミングはW-CDMAおよびGSM圏

 国際ローミングサービスは世界165の国と地域のW-CDMA及びGSMサービスエリアと可能で、他国でもHutchison3GサービスエリアであればVideoCallや動画配信などのサービスも受けられる。

 なお国際ローミングエリアには日本が含まれていない。これはHutchison3Gにドコモが出資していることから(2003年4月の記事参照)、日本のドコモ側の受け入れ態勢待ちということなのだろう。既に香港のGSMオペレーター3社は日本のVodafone/VGSからのローミング受け入れが可能になっているだけに、3 Hong Kongの日本ローミングも早急に対応してもらいたいものだ。

シンプルな料金体系

 基本料金は月額263香港ドル、383香港ドル、533香港ドルの3プラン(1香港ドル=約14円)。最低プランでも音声通話1900分(うちHuchiton3ユーザー間600分)、VideoCall 200分、テキストコンテンツ50課金、マルチメディア系コンテンツ100課金、およびパケット通信500Kバイト分が含まれている。

 コンテンツ閲覧時の料金体系はシンプルで、課金は「1コンテンツ1課金」。別途パケット料金の支払いは不要だ。またストリーミングの動画閲覧時には、VideoCallの通話時間が適用される。音楽ビデオのフルバージョンなどは追加料金が必要となるが、「1課金+追加料金(コンテンツにより9香港ドル、12香港ドルの2種類)」とこれも明快な料金体系となっている。海外とのVideoCallは国際電話料金のみで利用が可能だ。

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