リクルート「携帯電話の電源は切ったか?」Mobile&Movie 第98回

» 2004年01月30日 18時19分 公開
[本田亜友子,ITmedia]

作品名リクルート(The Recruit)
監督ロジャー・ドナルドソン
制作年・製作国2003年アメリカ作品

 マサチューセッツ工科大学に通うジェイムズ・クレイトンは、技術、知識、センスともに抜群の優秀な男。有名企業が集う展示会で、大学の研究成果を派手に発表し、デル・コンピュータの幹部に気に入られます。ただ、ネットワーク回線をジャックするという、クレイトンの大胆なパフォーマンスに目を付けた人物は、ほかにもいたのです。

 卒業後の進路も決まり、アルバイト先のバーで気楽な接客をしていると、クレイトンの前に不思議な雰囲気の男が現れます。クレイトンの前で手品を披露し、会話のきっかけをつかむと、その男はウォルター・バークと名乗り

「リクルートしに来た」

 と、クレイトンに告げます。大企業への就職が決まっているクレイトンは相手にしませんでしたが、バークがCIAのベテラン教官であり、クレイトンの才能を非常に高く買っていると聞いて、ミステリアスなCIAで働くことに少しずつ興味を持ち始めます。

 さらにバークは、クレイトンの父のことを語り始めました。実はクレイトンの父は数年前に飛行機の墜落事故により行方不明になったのですが、その事故には不審な点が多く、クレイトンは自ら、父の情報を求めるホームページを開設していたのです。

 石油会社に勤め、世界各国を飛び回っていた父がCIAだったとほのめかされ、とまどうクレイトン。父の死の真相もCIAに入れば見つかるかもしれない──。クレイトンは、バークに誘われるまま、CIAの採用試験を受けることにしました。

 バークが見込んだだけあってクレイトンは、試験を簡単にクリア、CIAの門戸をくぐります。しかし入ってからの特訓は想像を絶するもの。訓練生たちは、ファームと呼ばれる特別訓練基地で朝も夜もなく、トレーニングに取り組まなければなりません。教官として現れたバークは

「決して捕まるな。それが最重要ルールだ」

と言い放ち、仲間や恋人を裏切っても、自分だけを信じろと教え込んでいきます。過酷な訓練の中、クレイトンは気になっていた美しい女性レイラに恥をかかせてしまいます。気に病んだクレイトンでしたが、レイラとはそれがきっかけで急接近。しかし、訓練生同士はみなライバルで、常に危険と隣合わせの緊張感がありました。

 ある日、クレイトンはバークに呼び出されます。

「携帯電話の電源は切ったか?」

「置いてきた」

「信号で居場所がばれてしまうからな」

 バークがクレイトンに持ちかけたのは、二重スパイの調査でした。バークはなんとレイラが、CIAの機密情報を盗んでいるというのです。そして、クレイトンがレイラと親しいことを感じ取り、彼女の手口を明かせと命令してきたのでした。まだ訓練生の身でありながら、重要な任務に抜擢されたことに誇りを持ちながらも、レイラのことを信じたいクレイトン。レイラに接近してみて、素性を明らかにすることをバークに誓います。

 クレイトンが調べれば調べるほど、レイラの行動は不審な点ばかり。誰がレイラを操っているのか? バークの指令を無視して危険極まりない単独行動を開始したクレイトンは、敵の罠にはまってしまいます。そこでクレイトンはバークの言葉を思い出し、携帯電話の電源をオンにして、逆探知で自分の居場所を知らせようとます。レイナの正体は? そして、彼女を操っていた黒幕は誰なのか? 手に汗握るクライマックス、クレイトンはCIAのルール通り、捕まらずに脱出できるのでしょうか?

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2024年03月29日 更新
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