ドコモが“世代交代”の武器として投入するFOMA 900iシリーズの1機種目、「F900i」が発売された。ボーダフォンもシャープ製の3G端末「V801SH」を発表し、今年の主戦場である3Gの主役がそろい始めた。
FOMA900iシリーズの先陣を切ったのは、富士通製の「F900i」(2月6日の記事参照)。新規価格も3万円を切り、505iSシリーズと遜色ない(2月4日の記事参照)。このあと3月にかけて「N900i」や「P900i」が投入され、「SH900i」「D900i」も控えている。
ドコモは、これら900iシリーズの投入で、2004年3月までにFOMA契約数を240万まで増やす計画だ(2月4日の記事参照)。今後は、普及価格帯のFOMAを開発すると共に、最大14Mbpsの通信方式「HSDPA」を導入し、KDDIの1X WINへの対抗を狙う。
ボーダフォンライブ!対応の「V801SA」を投入したものの、3G累計台数が1月末で12万少々に留まるボーダフォン(2月6日の記事参照)。今年10月までに投入予定の6機種のうち(2003年11月の記事参照)、シャープ製の「V801SH」が発表となった(2月2日の記事参照)。
100万画素カメラを備え、撮影した画像をそのまま写メールできるほか、GSM方式にも対応し海外でそのまま使える。ただし、テレビ電話ができないことや最新端末と比較するとスペックが見劣りするという弱点もある。
中国向けではあるが、NECが開発したクレジットカード大の携帯電話は、同社の技術力を改めて知らしめた(2月3日の記事参照)。カメラ付きのこの小型端末を、NECは日本円にして約10万円で販売する。“モバイルのNEC”のブランド強化が発売の目的だ。2億5000万契約を超える中国の携帯市場の懐の深さを見せつけることにもなった。
既存の通信キャリア以外の勢力──イー・アクセスやソフトバンクなど固定系の通信サービス会社が、携帯電話業界参入を虎視眈々と狙っている。
武器となるのはドコモ・ボーダフォンのW-CDMAやKDDIのCDMA2000とも異なる、第3世代通信方式──TD-(S)CDMAだ。既存の携帯サービスに比べて投資額が小さくて済み、通信速度は高速。日本でもTD-CDMA用の周波数帯域が残されており、“携帯電話最後のイス”を狙って新規参入組の行方が注目される。
来週は11日に、JEITAが国内の携帯電話やPHSの出荷台数(12月分)を発表する。3カ月連続で、目安である400万台を超えた携帯電話販売だが、12月はどんな数字が出るだろうか。
12日にはソフトバンクの第3四半期決算発表も予定されている。イー・アクセスに続き、TD-(S)CDMA方式による携帯電話参入について触れてくるかどうかが注目される。
900iについては、しばらくの間、「F900i」をさまざまな角度からチェックする予定だ。
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