高機能化へのアンチテーゼ〜QVGAの小型携帯「A1402S」(1/2 ページ)

» 2004年02月18日 23時25分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 この小ささには驚くほかない──。そんなCDMA 1X端末がソニー・エリクソンから登場する。「A1402S」だ(2月16日の記事参照)。

 「今の携帯電話は高機能化一直線。カメラ競争であったり機能競争であったりという状況の中でも、一般の中では絶対に、自分に合った(サイズの)携帯をほしい層がある」と、企画を担当した元木杏奈氏は話す。

auの最新ハイエンド端末と並べて見れば、A1402Sのコンパクトさは一目瞭然。「車で例えれば、A5404SがBMWの7シリーズとか誰もが見てカッコイイというイメージ。A1402Sは、アウディでいえばA3だけどクアトロだとか。小さいからといって安かろう悪かろうではない」(佐藤氏)

 幅47ミリはau端末の中でも最もスリム。高さ89ミリはダントツだ。何しろ、ほかの高さ90ミリ台の端末はアンテナが付いており、実際はさらに10ミリ程度の長さがある。厚みは三洋電気製「A5503SA」に2ミリ譲って22ミリだが、適度なボリュームがあって逆に持ちやすい。

 「QVGAで世界最小容積を狙った。携帯以外で、小さいものは何があるか? タバコだと大きい。ほぼミルクキャラメル箱のサイズ」とクリエイティブプロデューサーの佐藤敏明氏。

 サイズの数値だけでなく、「アンテナ内蔵でヒンジも見えないデザイン」(元木氏)のため、すっきりとしてどんなポケットにも入れやすい。無理に薄型化していないだけあって、ボタンも大きくストロークが深い。重量バランスも良く、操作性は良好だ。

 小さいとはいっても“本当にほしい機能”はしっかりと盛り込んでいる。例えば、液晶はQVGA対応の2.3インチ。これより大きな液晶を積んだau端末は、京セラの「A5502K」しかない。

 「大きな液晶は必要条件でした。それからキー周り、ボタンの大きさとジョグ。これは絶対に落とせないところ」と元木氏。

ボディは小振りでも液晶は大きい。カシオの「A5403CA」と並べてみると、A1402Sの液晶のほうが一回り大きいことが分かる
ヒンジ部は「A5403S」同様、液晶が奥に傾くタイプ。小柄なボディながら、大きなダイヤルボタンと大きな液晶を盛り込めた

 盛り込む機能と削る機能がメリハリつけて選ばれている。そんな印象だ。では、盛り込まれた機能と削られた機能を一覧で見てみよう。

盛り込まれた機能
液晶2.3インチQVGA26万色TFTau端末内で第2位の大きさ
BREWバージョン2.1A5501TやA5502K同様の最新バージョン
赤外線通信家電リモコンとしても利用可au初
QRコード読み取りBREWアプリから利用A5502Kに続き2機種目
割り切られた機能
カメラ34万画素CMOS
メモリカード×
GPS×

 BREWは、EZナビウォーク対応端末などと同じ、バージョン2.1に対応。GPS機能を備えないため、EZナビウォークこそ使えないが、QVGA対応のBREWアプリを楽しめる。

 当然、CPU/ベースバンドチップは最新の「MSM6100」。ソニー・エリクソンとしては初の採用だ(2003年10月の記事参照)。実は、A1402Sが小型化できた背景には、この部分も関わっている。

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