2月26日に開催された総務省主催の「番号ポータビリティに関する研究会」(用語参照)では、“前提の方向”だった前回(1月22日の記事参照)から「やることで合意」(座長で東京大学名誉教授の齊藤忠夫氏)と、実現へ一歩前進した。
研究会にはこれまでの調査結果や討議内容を盛り込んだ報告案が提出され、参加メンバーがサービス提供に向けた課題について討議。3月下旬に開催される第6回の研究会に向けて導入時期やコスト、固定から携帯および携帯から携帯への接続方式など、導入に向けた具体的な部分の詰めを行うことが決まった。4月末にも最終案をまとめることを目指し、その後承認を経て勧告に向かう。
なおナンバーポータビリティの導入までには時間がかかることから、ドコモとKDDIは電話番号の通知サービスを計画している。KDDIの沖中秀夫氏は「今夏にも実施予定」といい、ドコモの辻村清行氏は「検討中」とした。
携帯電話事業者の試算によると、ナンバーポータビリティの導入コストは約900億円。このコストをもっと削減できないのかが、4回目の研究会の検討課題として残されていた。
今回の研究会冒頭でドコモの辻村氏が費用削減の試算を発表したが、その削減額は50億円だった。(番号ポータビリティの利用が想定される)「1000万人が安心して使えるものを作るためにも導入費用を下げることを考えすぎると、本質を損う可能性がある」というのが辻村氏の見方だ。
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