ロック音楽の真夏の祭典、「FUJI ROCK FESTIVAL'04」の割引チケットが、3月14日に発売された。販売会場には多くのユーザーが押し寄せたが、その購入手続きは、「FeliCa」対応カードと、携帯電話を利用するという、ユニークなものだった。
FeliCaといえば、ソニーの開発した非接触ICカード技術。今年夏頃には、NTTドコモが同技術に対応した携帯電話を投入することでも話題を集めている(記事参照)。イベントのチケット販売でFeliCaを活用すると、具体的にどうなるのか、見てみよう。
FUJI ROCKのチケット購入希望者には、申し込み時にFeliCaに対応した専用カードが渡される。ユーザーはチケットを購入し、カード側に購入情報を書き込む。これで後日、カードを提示することで、紙のチケットを受け取れるようになる。
ユーザーはまた、用意された携帯向けサイトにアクセスし、個人情報を入力する必要がある。これにより、カード内にチケット購入情報と、ユーザーの個人情報が登録され、“岩盤会員証”(FUJI ROCK OFFICIAL SHOP「岩盤」の会員証)となるという仕組みだ。
なお、カードは電子マネーのEdy機能も備えており、通常のEdyカードとなんら変わらず利用できる。
岩盤は、このカードを利用してチケット販売管理、会員管理、ポイント管理などを行える。システム構築を担当したのは、ソフトバンクモバイルだ(同社のニュースリリース参照)。PCと顧客管理ソフト、およびFeliCaカードリーダ/ライタであるパソリを用意するだけでよく、「100万円単位のPOSシステムを導入するより、安くあがる」(ソフトバンクモバイル)という。
FeliCaの特徴は、ひとつで複数の用途に利用できること。今回の場合は、電子マネーであるEdy機能と、ユーザー情報を管理する会員証としての機能を、1つのカードに入れ込んだかたちだ(記事参照)。もちろん、カード自体をチケットとして扱うことも「技術的に問題はない」(ソフトバンクモバイル)が、今回は見送ったという。
冒頭で触れたように、「モバイルFeliCa」のICチップを搭載した携帯端末が登場すれば、カードではなく携帯を直接リーダ/ライタにかざすかたちになる。ソフトバンクモバイルでは、「いずれはFeliCa搭載携帯でのシステム構築に移行するだろう。その拡張性をもった、第1弾だ」と話していた。
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