3月17日、京都で「第3回ケータイ国際フォーラム」が開幕した。京都府金剛能楽堂で開かれたトップカンファレンスには、NTTドコモの立川敬二社長が登場。携帯業界の未来や、今後の国際展開などについて方針を話した。
近年、日本での携帯電話の技術進歩はめざましいものがある。もっとも、国内の携帯電話市場は成熟し、「飽和しているのでは」との声も聞かれるようになった(2002年4月の記事参照)。携帯業界は、はたしてこのまま発展を続けられるのか。これが、カンファレンスでまずとりあげられたテーマだった。
意見を求められた立川氏は、「これで終わりか、ということではなくて、ユビキタスの時代になれば、携帯電話ももっと発展するだろう」とコメント。
「現在の携帯は、まだ文字情報のやり取りの段階。いずれこれが映像情報になり、将来的には、たぶん3次元映像まで送りあうことになるのではないか」。21世紀中頃までは、まだまだ携帯を介在した通信が、大いに活用されるだろうとした。
続いて話題は、携帯電話の国際展開に移る。たとえば、約13億人ともいわれる人口を抱える中国は、日本にとって“魅力的な市場”なのか、それとも競争相手として“脅威”なのか……という議論が交わされた。
立川氏は、ひとまずは中国市場を魅力的だと感じている様子。「移動体通信は、パーソナルなもの。人口が多いということは、それだけ大きなマーケットということになる」。
NTTドコモが考える“ユビキタス社会”では、ペットや自動車にも携帯電話の通信モジュールが取り付けられる。そのため、移動体の市場規模は人口の5倍ほどになる、と立川氏。
「13億の5倍というと、すごい数ですね」(笑)。
一方で、それだけの市場規模を持つ国が、独自規格を採用するなどして、自社の製品が排除される状況にならないよう、注意する必要がある。
立川氏は、昨年12月から北京の研究所で、第4世代携帯の共同開発に取り組むことになったと紹介。「一緒に作り上げて、方式の違いをなくそうということ。アジアからの標準化が重要と思う」。
同氏はまた、アジアには「東洋哲学という共通項」があると強調。精神性が似ているため、コンテンツ作りなどでも協力して、世界に文化を発信できるとした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.