ケータイ王、米のテレコムイベント「CTIA」に乗り込む

» 2004年04月01日 20時43分 公開
[羽田卓生(ケータイBEST),ITmedia]

 米携帯電話業界の主要メンツが揃うテレコムテクノロジーイベント「Cellular Telecommunications & Internet Association (CTIA) Wireless 2004」(3月23日の記事参照)。日本で“携帯王”の称号を持つ羽田卓生(ケータイBEST誌編集者)が、世界に打って出るべく取材を敢行した。

 「TVチャンピオン」のエンディングで「日本のケータイは世界一!」と叫んではみたものの、CTIA会場に足を踏み入れると、見たこともない端末があるわ、あるわ……。その自信も揺らぐことになった。

端末業界の力が強い、米携帯業界

 日本の携帯業界と異なるのは、1)端末メーカーの影響力が大きい 2)個性的な端末が多い 3)ケータイ周辺グッズが充実している という3点だ。

 大きなブースを構えているのは、Siemens、Nokia、Samsung、Sony Ericsson、LG、京セラなどの端末メーカー。Verizon Wireless、AT&T Wireless、Sprintなど、通信オペレータのブースがさほど大きくないことからも、端末メーカーの影響力が見て取れる。日本の展示会のように、キャリアのブースが「どーんとある」というイメージではないのだ。

 端末の型番をメーカーが決めているのも日本とは異なるところ。全く同じ端末が複数のキャリアに供給されていることもあり、“端末はキャリアのものである”というイメージは感じられない。

 2メガピクセル端末や、タッチパネルディスプレイ付き端末、W-CDMA/EV-DOのデュアル端末を展示していたSamsungブース
 日本でもおなじみのSony Ericssonブース。「SO505iS」が参考展示されていた
 韓国メーカーのLG。米国でシェアを急拡大している(左)。NTTドコモは900iシリーズを展示(右)
 京セラもブースを出展
 米国の通信オペレータブース。端末メーカーのものに比べると小さい

多彩な端末バリエーションや周辺機器類

 このところ日本でも、auの「INFOBAR」やボーダフォンの「V801SA」、ドコモの「P505iS」など、個性的な端末が登場するようになってきたが、米国ではさらにバラエティ豊かだ。ノーマルな折りたたみ型もあれば、日本ではすっかり廃れたストレートタイプもまだまだ健在。キーボード付きのPDAタイプ、機能を限定した小型でスタイリッシュな端末もあれば、回転式やスライド式など、凝ったギミックの端末も充実している。

 左からNOKIAのカラフルな端末、中国Heierのスリムでメタリックなモデル、Panasonicの超小型ケータイ、京セラのスライド方式タイプ、京セラの「Koi」。どこかでみたような……

 米国では携帯周辺のアクセサリーも多種多様。車社会だけあって車載関連のグッズが多い。自転車につなぐものも、スピーカー、ポータブル充電機、Bluetoothを使ったミニラジコンまである。

 日本でこうしたグッズ類がなかなか出てこないのは、キャリアの方針が影響しているともいえそうだ。これまで筆者が行った日本のケータイ周辺機器メーカーへのインタビューでは「キャリアの収入にとってプラスにならないものはあまり協力してもらえない」「キャリアショップでの販売が難しい」「端末本体から外部への電源供給ができない仕様になっている」といった声が聞かれた。

 これほど普及しているケータイなのだから、活躍の場面を増やすためにもサードパーティを積極的に育ててほしい。徹夜明けに使える「ケータイにつなげられる髭剃り」とか欲しい……。

 左から端末で充電できるSony EricssonのBluetoothラジコン、SIEMENSの車載ハンズフリーキット、NOKIAのポータブル充電機
 SIEMENSの自転車搭載型端末。スピードメーター代わりにもなる

日米で温度差〜女性説明員の対応

 さて、イベントや展示会の主役といえば、やはり女性説明員。日本の展示会では、キャリアのコスチュームに身を包んだ女性たちを楽しみに出撃する人も多いだろう。

 実はここも日米でかなり温度差がある。まず、日本のように揃いの衣装に身を包んだ説明員の絶対数が少ない。たまにいたとしても、その振る舞いも対照的だ。

 日本の場合、女性説明員にカメラを向けると、とりあえずカメラの前に立ってくれたり、ポーズを決めてくれたりする。ところが米国では、カメラを向けるとファインダーから逃れるようによけられてしまうのだ。ドコモブースにはきれいなブロンドヘアの説明員が揃っていたのだが、カメラを向けたみんなからよけられてしまい、一枚も写真を撮ることができなかった。ケータイ王として、これが一番心残りだったのは言うまでもない。

世界のケータイ王を目指して

 実は日本では“ケータイ王”を名乗る筆者も、海外のイベント取材は初めて。さまざまな端末やサービスを見るにつけ「世界の端末10億台のうちの8000万台を知っているにすぎない」ことを思い知らされた。

 これからは金と時間の許す限り、世界のケータイイベントに乗り込もう。そして世界のケータイ王を目指そう(各地のコンパニオン事情も含む)。こう決意したことをここに宣言しよう。

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