きれいな写真を送り放題〜「W21H」を使ってみました

» 2004年04月16日 15時34分 公開
[野田幾子,ITmedia]

 1X WINといえば、パケット定額プランの「EZフラット」抜きには語れない。基本使用料にEZフラットを付けて申し込めば、メールやWeb、コンテンツのダウンロードが使い放題になるのだ。

 2003年に登場したWIN端末は(2003年10月の記事参照)、寝ている間に雑誌やテレビのようなコンテンツがダウンロードされる「EZチャンネル」(2003年12月の記事参照)やEZアプリにも対応していたが、カメラは31万画素CMOS。コンテンツを受信する楽しみはあったが、“情報を発信する楽しみ”には欠けていたといえなくもない。

 そこで登場したのが124万画素CCDを搭載した日立製作所製の「W21H」(3月1日の記事参照)。EZチャンネルやEZアプリには対応していないが、着うたや待ち受け画像は落とし放題だし、大きなサイズのきれいな写真も送り放題。フツーのユーザーがフツーに楽しんでいる機能を、料金を気にせず使い倒せるのが特徴だ。

 「EZフラットに加入してるから、パケット使い放題です。写真をばんばん撮って送ってみてくださいよ」と、編集者から手渡されたW21H。おりしも春たけなわ、桜も見頃の気持ちのいい季節。ここでメガピクセルケータイを手に入れたとくれば、桜を求めて散歩に行くのが筋というものだろう。

 さっそく近所の河川沿いに繰り出し、メガピクセルならではのVGAやSXGAモードで手当たり次第、パチリパチリと写真を撮りまくってみた。

撮影モードにしたところ。画像サイズをSXGAにする場合、「メールで送れるファイル容量にするか否か」を選ぶ必要がある。SXGAかつメール送信可能であれば、液晶画面に「メール」アイコンと「OK」の表示が出ているので分かりやすい。撮影中「この、人が横になっているアイコンはなんだろう」と思ったが、気にせずシャッターを押しまくった。これが後で大変なことになるとは……

EZナビに対応しているので、撮った画像にGPS情報を付けてメール送信できる。EZナビウォークに対応していないのがちょっと残念。徒歩ナビ、試してみたかった……

 WIN端末以外の端末にフォトメールを送る場合でも、撮った画像を送信先に合わせた最適なサイズに変換できる
 W21Hに搭載されている「画像の合成」機能はなかなか楽しい。合成後は、元がどんな大きさの画像でも自動的にケータイに最適なサイズになるので、どの端末でも受け取れる

携帯からPCにフォトメール──で威力を発揮

 「パケット代を気にせず大画面のデータを送れる」と聞いて、一番最初に思い浮かんだのは「Fotolog」への画像をアップ」という使い方。

 Fotologは、写真に簡単なコメントを付けてメール送信すると、写真付きの簡易日記としてWebにアップできるサービス。携帯からの写真付きメールでも更新が可能だ。

 Fotologに写真をアップすると500×375にリサイズされるが、SXGAの画像(左)とケータイ最適サイズ画像(右)では、画質に歴然とした差が出る

 Fotologに限らず、自分が管理しているBlogでもいい。出先から写真付きメールを送れる携帯電話とBlogは相性がいいようで、最近では携帯からの更新に対応したBlogサイトも増えている。W21Hなら、メガピクセルカメラできれいな写真が撮れるし、送れるファイルサイズが150Kバイトと大きいから、より良い画質の写真をアップできる。その上、料金を気にしなくていいから、まさにうってつけだ。

 こうした使い方をしている仲間は、パケット代がバカにならない──とボヤいているが、W21Hを使ってる私は、そんな問題とはもう無縁だ。

あれ、写真が横向きに……

 さて、帰宅してFolotogにアクセスしてみると──。

 「な、何じゃこりゃ!?」

 なんと、撮った画像が横向きに表示されていたのだ。

 私の場合、ふだんFOMA N2102Vを使っているので、「写真を撮る」といえば「ケータイを開き、液晶が縦になっている状態でシャッターボタンを押す」のが当たり前になっていた。W21Hでも当然そうだろうと思って、VGAやSXGAモードでもそのままパチパチ撮っていたのだ。

 取扱説明を見るとW21Hの場合、640×176の「パノラマ」、640×480の「VGA」、1280×960の「SXGA」で撮るときには、端末を横向きにして撮らなければならないことが分かった。

 撮影時の表示画面で「人」のアイコンが横に倒れていたので「もしかして端末を横向きにして撮るのかも」とも思ったが、「まあ、撮った画像を回転させればいいや」と、そのまま撮影を続行したのだ。

 しかし、VGA/SXGAサイズの画像は回転不可能なことが判明。方向を間違えて撮ってしまうと、端末側で写真を回転させてFotologにアップする──といったことはできず、PCで回転処理しなければならない。

 つまりW21HでVGA/SXGAモードの写真を撮る際には「端末本体を開いて横向きにして、本体脇のシャッターボタンを使って撮影しよう」ということになる。最初に取扱説明書を読んでおけばよかった……。

 しかしそんなことを差し引いても、きれいな画質の大きな画像を送りまくれるのは楽しいし、便利なのは確か。ただケータイの小さな画面で見るのにVGAやSXGA画像を送ってもあまりメリットは感じられず、やはりPCを持っている友達に送ったり、ケータイメールで更新できるBlogや日記サイトで使ったほうが便利さを実感できる気がした。

 VGA/SXGAモード時に、端末を縦にしたまま撮った写真をそのままMoblogしたり、PCに送ることなかれ。ただW21Hで表示させたり、ほかのケータイに送る場合は、端末を縦にして撮っても縦位置で表示されるので、あまり意識しなくてもいい
 (画像をPCで縦に直して)自分が利用しているBlogへアップ。ケータイ見ることを前提にしたBlogは、ファイルサイズの容量制限があることが多いので、最初に確認しておこう
 メガピクセルだけあって写真はかなり美しい(左・W21HのVGAモードで撮った写真をPCに送信)。N2102Vで撮った画像(右)と見比べると、やはり大きい画像のほうが見応えがある

楽しいだけに、スペックに欲が出てくる……

 W21Hは、料金を気にせず着うたや待ち受けをダウンロードできたり、大容量画像を送れるのは画期的だが、今時の端末としては少々物足りない気もしてしまった。

 ボディがコンパクトなのは持ち歩きやすくていいのだが、使っていて楽しいだけに、いろいろと欲がでてきてしまう。せっかくメガピクセルで撮れるのだから、液晶はQVGA液晶だとうれしい、きれいな画像を簡単にプリントできるよう、外部メモリも付けてほしい……といった具合だ。

 ともあれ今後もWIN端末は、さまざまなモデルが出てくると思う。定額や高速回線を使ったどんなおもしろいことを提案してくるのか……。期待してます!auさん。

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