作品名 | タイムリミット |
監督 | カール・フランクリン |
制作年・製作国 | 2003年アメリカ作品 |
フロリダの小さな町で、警察署長として頼りにされていたマット。妻のアレックスとは別居しており、学生時代のガールフレンド、アンと浮気中。夫の暴力に苦しんでいるアンにマットは同情してしまったのです。
ある日、兄のふりをして病院に一緒に行ってほしいとアンが頼んできました。医師のもとを訪れると、アンがガンに侵されており余命半年であることを告げられます。ショックを受けるアンを、支えようとするマット。アンが残りの人生を幸せに過ごせるよう、手助けしようと決意したのです。
この時マットは、警察署内の金庫の中に麻薬売買の証拠品として保管している48万ドルを思い出します。そのお金をアンの治療にあて、二人で遠くへ旅立つことを決意。途方もない計画にとまどいながらもアンは頷きました。街を出ると決めた夜、約束の時間になってもやってこないアン。不審に思ったマットは家まで様子を伺いに行きます。部屋を覗いても誰もいないようで、しかたなくマットは引き返しました。すでに48万ドルはアンに渡しており、不安が募るマット。それに追い討ちをかけるように事件が発生します。
アンの家が夜更け過ぎに火事になり、焼け跡から二人の遺体が発見されたのです。それは、アンとアンの夫のクリスと見られ、さらに放火の疑いがかけられていました。マットはこの時初めて自分の置かれた立場に気付きます。二人での逃避行を決めた時、アンは自分の死亡保険金の受取人をマットに変更していたのです。
これでは保険金殺人の容疑がかけられ、自分の浮気もばれてしまう。そこへ、麻薬捜査官から証拠の48万ドルを取りに行くとの連絡が。あせるマットの元に、事件を担当することになったアレックスが現れ、捜査に協力してほしいと言って来ました。また、アレックスは離婚の手続きを進めたいと言い、マットはまさに絶体絶命のピンチに陥ってしまいました。
そんな血の気の引いたマットの顔に気付かず、アレックスは捜査を進めます。アンの職場に花束が届けられたと聞き、花屋に送り主を確認しようとした時、とっさにマットが携帯電話を取り出します。
「花を届ける注文があったか知りたい」
マットが話しているのは、花屋ではなくて本当は番号案内のアナウンス。
「送り主はクリスか」
マットが送ったものをごまかすために、携帯電話で一芝居打ったのでした。さらにアレックスは、アンの携帯電話の通話記録を洗い出し、何度も使っている番号に気付きます。その場でダイヤルするアレックス。そう、それはまぎれもなくマットの携帯電話の番号だったのです。
マットは慌てて携帯をマナーモードに切り替え、こっそりと電源を切ります。その番号の持ち主が、公務員であることまで突き止めたアレックスは、執拗に持ち主を探し始めます。その時、不審なマットの様子に気付いたのが、悪友のチェイでした。
「×××0199の番号に覚えがない?」
警察署内で呼びかけるアレックスに
「0199? 1099の間違いじゃないのか?」
一同の視線を集めるチェイ。
「それは俺の番号だ」
チェイはマットに助け舟を出しますが、マットが置かれた四面楚歌の状態は変わりません。火事の前にアンの家を訪ねた時の目撃証言、保険の受取人変更、通話記録、消えた48万ドル──マットを犯人と考えるには十分な証拠です。携帯電話に八つ当たりしてしまうほど、追い詰められたマット。アレックスに気付かれる前に真犯人を見つけ出すことができるのか? そして48万ドルは無事に取り戻せるのか?
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