台湾のPHSオペレータ大衆電信PHSは4月下旬、業界初となるPHSとGSMのデュアル端末の発売を開始した。端末は三洋製の「G1000」で、本体色はギャラクシーブルー(銀河藍)とシャンパンゴールド(香檳金)の2色。
メイン・サブ画面共に6万5536色のTFT液晶を採用し、内蔵カメラは11万画素。PHSとGSMの2つの通信方式の干渉防止のため、PHSのアンテナは外付け、GSMのアンテナは内蔵されている。本体にはSIMカードスロットを搭載し、GSMのSIMカードを挿入できる。
キーパッドの「MODE」キーを押すことで「PHS専用」「GSM専用」「PHS/GSMデュアル」の3つのモードを切り替えられる。GSM部分は900MHzと1800MHzのデュアルバンド、PHS部分は台湾内での使用のほか、日本ローミングにも対応している。価格は1万5900新台湾ドル(約5万2000円)。
G1000の最大の特徴である「PHS/GSMデュアルモード」時は、PHSとGSM両方の電話番号が利用できる。非PHS圏でもGSM携帯電話としてそのまま使えるわけだ。また「PHS専用モード」「GSM各専用モード」を選択時は、単体のPHS携帯電話、GSM携帯電話として動作する。
「PHS/GSMデュアルモード」時の発信は、自動的に通話料の安いPHSからの発信となる。GSMから発信したい場合は、MODEキーを長押しすることでGSM優先発信モードとなる。なおGSM優先発信モードの状態で発信せず、そのまま15秒放置しておくと自動的にモードが元に戻り、再びPHSからの発信が優先される。
ただし2方式の通信方式を同時に利用すると、干渉により通話品質が劣化してしまう。そこで片方の通信方式で通話中は、もう一方の通信部分は自動的にオフとなる。例えばPHSで電話を受けた場合、自動的にGSM部分の機能はオフとなり、PHSで通話中にGSMの電話番号に電話がかかってくると、相手には「話し中」ではなく「電源が切れている」とアナウンスされる。もちろん通話が終了すれば、すぐに元のデュアル待ち受けモードに復帰する。
台湾では、通話料の安さと日本メーカー製の端末採用により、PHSサービスが一定の人気を得ている。しかしサービスエリアが台北市とその周辺一部だけと狭く、台湾内の他都市へ行く場合にはGSM携帯を使う必要がある。そのためPHS加入者は学生層が多く、PHS契約者でもGSMをもう1台契約しているケースも多いようだ。
大衆電信ではサービスエリアを拡大中で、6月から高雄市、台中市と台南市ではそれぞれ9月と11月からサービス利用が可能になる予定。一方で今回のPHS/GSMデュアル機の投入により、PHSユーザーの非PHSエリアでの利便性を高めるだけではなく、エリアの狭さからPHSを敬遠していたGSM契約者の取り込みも図りたいところ。これ1台で台湾全土、海外GSM900/1800MHzエリア、そして日本でも利用可能となれば、ビジネスユーザーへの大きなアピールにもなるだろう。
機種 | G1000 |
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方式 | PHS + GSM900/1800MHz |
サイズ(幅×高さ×厚み) | 47 x 96×26.4ミリ |
重量 | 118グラム |
メイン画面 | TFT 6万5536色・120x144ピクセル |
サブ画面 | TFT 6万5536色・72x72ピクセル |
内蔵カメラ | 11万画素 |
通信速度(PHS) | 64Kbps |
通話時間 | PHS時 5.5時間/GSM時 2.0時間 |
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