「Keitai Picture」に使い放題のライセンスタイプ登場

» 2004年05月19日 11時57分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 富士写真フイルムは5月19日、携帯向け画像変換サービス「Keitai Picture」に6月末からライセンスタイプを追加すると発表した。

 同サービスは、1枚のオリジナル画像を元に、iモード/EZweb/ボーダフォンライブ!の各端末ごとに最適化した画像を生成、配信するもの(2002年6月25日の記事参照)。

 これまでアクセス数に応じて料金が変化するASPタイプのサービスを展開してきたが、ライセンスタイプでは一定の月額ライセンスを支払うだけで「今まで使っていたのと全く同じものを、自分のところで実現できる」(富士写真フイルムの電子映像事業部開発部 兼営業部新規ビジネス統括の羽田典久部長)ようになる。

 ソフトが動作するサーバは自社で別途用意する必要がある。サーバ動作環境は、デュアルPentium III/1.3GHz以上、メモリ2Gバイト以上、HDD36Gバイト以上、OSはRed Hat Ver.7.2に対応している。オンラインサポートや機種情報更新などもオプションで用意されている。

パケット定額制が1つの契機

 これまでASPタイプの画像変換サービスの草分けとして、ユニクロやガリバー、ツタヤオンラインなど多くのコンテンツプロバイダに導入されてきたKeitai Pictureが、ライセンス販売に乗り出す背景には何があったのか。

 大きなポイントは、KDDIに続きドコモが6月1日から開始するパケット定額制だ(3月24日の記事参照)。羽田氏が「すごいインパクトだ」と話すように、定額制導入はコンテンツに対する飛躍的なアクセス増大をもたらすことが想定されている。特に、きれいで大きな画像はパケット代金が需要を制限していた部分でもあり、大きな影響が予想される部分だ。

 ライセンス費用の詳細は明らかにしていないが、アクセス数に応じた料金のASPタイプと違い、“使い放題”のライセンスタイプによって、導入企業はコストを抑えることが可能となる。「会員増のチャンス。サービスを増強したいコンテンツプロバイダ」(羽田氏)をターゲットに販売する計画だ。

 同時にライセンスタイプは、これまでASPサービス導入をちゅうちょしていた大手コンテンツプロバイダへの販売も視野に入れる。「自社の財産である画像をASPという形で外部に出したくない」「自社のシステムですべてを処理したい」「インターネットを経由するのはわずらわしい」。そうした企業にとって、ライセンスタイプが解決策となる。

画像変換の戦国時代へ

 同社がライセンスタイプを導入することで、これまでKeitai Pictureとすみ分けてきた画像変換サーバ販売の領域と、競合が起こっていく可能性も高い。

 またこの6月に、iモード向け画像サービスの足かせとなっていたGIFのライセンスが切れるのも、大きな注目点だ。GIFのライセンスによってASPサービス提供をためらっていた企業も、今後、続々と進出を計画している。

 羽田氏は「我々の今までやってきたノウハウ。我々は目玉(カメラ)から表示(液晶表示)まで全部やっている。トータルで見たときに他社とは違う。入りから出まで、フルラインアップでトータルサービスを提供していく」と、画像変換の戦国時代を生き抜く方策を話した。

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