JCCが考える「iBOXサーバ、進化の方向」

» 2004年05月26日 23時56分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 日本電算機は5月26日に開催した記者発表会で、HDDビデオレコーダ「iBOXサーバ」シリーズの新たな強化ポイントと、今後の方向性を紹介した。iBOXサーバ同士が連携してファイル共有が可能になったほか、将来的には携帯電話も絡めた“家庭ネットワーク”の形成を考えているという。

Photo 会場で展示されていたiBOXサーバ「K」と「D」。外部HDDとも接続されている

 iBOXサーバの強化策として発表されたのは、まず「iBOXサーバー・プラスプラス」。これはiBOXサーバシリーズの上位機種「K」と廉価版の「D」の両モデルを、ネットワーク接続して連携できるサービスのこと。製品を2台購入したユーザーが利用可能で、既に1台を購入し、後からもう1台を追加購入したユーザーでもソフトウェアバージョンアップで対応できる。

 iBOXサーバの端末同士をLAN接続することで、2台をあたかも1台であるかのように扱える。それぞれ2つのTVチューナー・エンコーダを搭載するため、「1つのインタフェースで最大4チャンネルを管理し、同時録画できる」(同社)という。

 1台が2番組を録画して“ふさがっている”場合に、離れた場所にあるレコーダーに保存されている番組を視聴したいと思った場合、そのデータをネットワーク経由で呼び出して再生することも可能。同社がウリにする「リアルクロックナビゲーション」(2月24日の記事参照)機能を利用する際に、「映像を再生しようとしたiBOXサーバに当該映像がなく、もう片方にその映像があった」場合はそちらから再生することが可能だ。

外部ストレージとの連携

 端末同士の連携に加えて、外部ストレージとの連携による利用法も示された。iBOXサーバが備えるUSB 2.0インタフェースを利用して、NAS(Network Access Strage)に録画データを移行できる。

 これだけなら前から実現していたが、会場ではiBOXサーバの映像を外部HDDに転送する「番組毎回自動コピー機能」が紹介された。製品の管理システムにコピーを任せることで、自動的にバックアップがとられる。

 「K」「D」両モデルともUSBポートを4つ備えるため、最大4台の外部HDDを接続することが可能。その場合は“キャパシティバランサー”機能が働くため、空き容量の大きいHDDに優先的に転送するといった処理も行える。

“家庭ネットワーク”構築へ

 同社はここからさらに、iBOXサーバを家庭内ネットワークの中心に位置付ける構想を話す。同社は2003年の段階で既にホームセキュリティシステムを展示していたが(2003年3月4日の記事参照)、こうしたシステムを推進したい考え。

 たとえばドアの開閉情報がiBOXサーバに転送されると、携帯電話やPCにメールに通知が届く。ドア以外にも、煙センサー、消灯確認、血圧計などのデータを転送可能だ。

Photo 同社が展示していたユビキタスネットセキュリティシステム(2003年3月の記事より抜粋)

 日本電算機の石井孝利社長は、携帯電話との連携も口にする。

 「携帯電話がリモコンの役割になったり、録画再生機能を有したりすることを視野に入れて機能開発する。リアルクロックナビゲーションで録画された短時間の映像データを、通勤の電車内で携帯から視聴する……という利用もあるだろう」

 単なる録画デバイスではなく、さまざまなネットワーク環境に対応した“日々の中で欠かせない装置”にしたいとした。

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