「N900iS」(6月1日の記事参照)は、同時期に発表された「P900iV」(6月1日の記事参照)や「F900iT」(6月1日の記事参照)とは位置付けが異なる。後者の2機種が派手な機能をふんだんに取り入れたハイエンド向け端末であるのに対し、N900iSはコミュニケーション機能を強化した、「FOMAの普及機」という位置付けだ。
NECの900iシリーズの初号機「N900i」(2003年12月の記事参照)とN900iSは、どこが違うのかを見ていこう。
N900iSは、サイズ、重さ、メモリ容量、待ち受け時間など、スペックは多くの部分が前モデルのN900iと同じだ。
大きく異なるのはボディカラー。N900iは、オレンジ、ブラック、シルバーの3色だったが、N900iSは、レッド、ピンク、ブラック、シルバーの4色展開になった。
「N900iでは、特に女性カラーというのを用意しなかったが、N900iSは女性訴求色としてピンクをラインアップした。ポイント色には、前モデルのオレンジよりアグレッシブな赤を持ってきた」(NECのモバイルターミナル事業本部 商品企画部エキスパートエンジニアの永井道生氏)。
端末表面の処理など、細かいところでも違いが見られる。N900iは、3色ともつや消しのアルマイト調仕上げだったが、N900iSは色によって処理が異なる。ピンクには落ち着いた雰囲気のつや消し処理が施され、シルバーはチタンの鈍く光る雰囲気を出している。レッドとブラックは、光沢があるつややかな雰囲気で、細かいパールがアクセントとして入っている。
特徴だったサイドのツートンは、シルバーとブラックには引き継がれていない。「この2色は、塊のような感じを出したかったので、ツートンにはしなかった」(永井氏)。
背面のデザインにも若干の変化が見られる。「カメラからスピーカーまでが縦長のラインを形成していることで、よりスリム感が出ている。中央部の波の目はリズム感を表現した」(モバイルターミナル事業本部商品企画部の山内賢一マネージャー)
機能強化のポイントが、“コミュニケーション”ということもあって、N900iSでは、デコメールの機能が強化されている。強化点の一つは、20種類のテンプレートを用意した点だ。
「テキストやアニメGIF、背景色が初めからプリセットされた初級者向けと、文字部分を自分で入力する上級者向けの2種類を用意している。それぞれ10種、計20のテンプレートが入っている」(永井氏)。簡単な方法で送れる手段を提供することで、デコメールの楽しみをアピールしたい考えだ。
もう1つは、デコメール作成時のインタフェースをパレット化した点だ。「デコメールに慣れて、自分なりのものを作りたいと思ったときに、直観的に作れるインタフェースにした」(永井氏)。
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