FOMAは好調、利益は減少〜ドコモ第1四半期

» 2004年07月30日 16時32分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 NTTドコモは7月30日、2004年4-6月期の決算を発表した。売上は前年同期比2.5%マイナスの1兆2211億円、税引前利益は17.8%マイナスの2769億円となった。

 FOMAの契約数が7月19日に500万を突破するなど、契約者数は順調に伸びているが、ユーザー1人当たりの利用料金(ARPU)が減少したことと、費用の増加(前年同期比3.2%増)が利益を圧迫している。

 「販売、契約数は順調だが、ファミリー割引の拡大、パケットパックの値下げ、定額制導入などの値下げや、FOMAへの移行が進んだ結果、どうしても費用の前倒しが起こる」と同社副社長の平田正之氏。

好調な端末販売、サービス

 4-6月期のデータを見ると、ドコモの端末販売や新料金プランは着実にユーザーに受け入れられている。

 FOMAは堅調に増加。4-6月期は、約183万台のFOMA販売数のうち9割を900iシリーズが占めた。900iシリーズは2月に発売してから既に300万契約を突破している(7月23日の記事参照)。2005年3月末の契約者数目標1060万に向けて着実に伸びている。

 パケット定額制「パケ・ホーダイ」は8月には100万契約を突破する見通し(7月28日の記事参照)。年代別に見ると10代・20代の割合が多く、全体の6割を占める。

 値下げを行ったパケットパックは、利用率が3.5ポイント上昇。ファミリー割引は2.4ポイント上昇して利用率58%となった。

販売コスト高いFOMA、PDCのARPUも減少

 契約者数の伸びは順調だが、FOMA端末の調達コストは高く、販売時のインセンティブ(販売コミッション)もPDCに比べて高い。端末取得原価は、前年同期比で100億円増えて2700億円、代理店手数料も100億円増えて1400億円と、それぞれ増加。50xシリーズなどのインセンティブ費用は、1台当たり3万1000程度だが、FOMAはさらに数千円が上乗せされているためだ。

 ユーザー一人当たりの月間利用料金を示すARPUも、大きく減少した。総合ARPUは前年同期比で740円減って、7400円。契約者数の伸びを上回るペースでARPUが減少していることが、費用の増加と共に売上減に結びついている。

 とはいえ、大きくARPUが減少したのはPDCのほうで、FOMAに限ってみると、ARPUは9610円から1万240円と上昇している。

 減収減益となった4-6月期だが、これは通期の予定に沿ったものだ(5月7日の記事参照)。「売上は堅調に推移している。費用についてもほぼ予定通り」(ドコモ)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  4. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  5. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  6. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  7. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
  10. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年