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井戸氏は、「携帯のデザインが目的になってはいけない。作品作りではない」と話す。“デザインに凝りました”という携帯の中には、単体で見た時にはかっこよくても、それを人が持っている姿は“あれ?”というものが少なくない。
人が持って使うシーンの中で最も美しくなるデザイン──というのが同社デザインのコンセプトだ。「人が持って使う、たたずまいを重要にしたい」(奈良氏)
これを明確に表すのが、デザインセンターに張ってあるという下の図だろう。

「つきあっていくうちに味が出る」(井戸氏)。これがこれまでのカシオ製端末に共通するコンセプトだ。2カ月で飽きられるデザインではなく2年間使い続けられるもの。そのために、新端末の投入時期によってデザインの基本方針も決まるという。
同社製端末は、ほぼ半年に1回投入されるが、デザイン面での大きなモデルチェンジは1年おきだ。こうして端末を買ったユーザーに、すぐ飽きがこないよう工夫している。
端末のデザインを評価するときの距離も重要な点だ。販売店の店頭でずらっと並ぶ各社の携帯。どうしても、そこで目に付くことが販売サイドからは求められるが、同社のデザインはそれを重視していない。ユーザーが毎日使っていく中で、愛着のわくデザインにできるか。その距離感を大事にする。
「5メートルではなく、50センチで納得いく質感に」(井戸氏)。
携帯電話のデザインは、今や性能よりも重要なポイントかもしれない。「基本スペックはガイドラインがあるので差がつかない」と井戸氏は話す。あとは価格と大きさだが、現在最も重要なのはデザインだ。「デザインの比率は非常に高い」。
これまで端末メーカーのデザインについて各社から話を聞く中で、「ターゲットはマスではない。欲しい人に評価してもらえればいい」と言い切ったのは、カシオとソニー・エリクソンだ。マスを狙わざるを得ない端末メーカーがあるのは確かだが、デザインが端末評価の中で重要さを増していく中で、“マスは狙わない”と言い切れることは強みになっていくのではないか。
[斎藤健二,ITmedia]
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