「最後はどうなるか分からない。ただ、競争になるかといわれれば、やはり競争になると思う」
「EdyとSuicaの両方で使えるリーダー/ライターが登場すれば、共存できるという意見もある。もしかしたらそうかもしれないが、それでもなお、我々は『Suicaを使ってほしい』と思うし、ビットワレットさんも『Edyを使ってほしい』と思うはずだ」
電子マネーサービスでは基本的に、運営事業者が手数料収入を受け取るビジネスモデルになっている。Suicaの場合も、料率は明かされなかったが「駅以外、グループ以外の企業に採用されれば、そこから収益が上がる」(同)。逆にいえば、自社の電子マネーが多く流通しなければ、当然ながら収入も少なくなる。業界で多くのシェアを得たいと考えるのも、当然だろう。
同氏はまた、Suicaでは駅の券売機というインフラを構築済みであることに触れ、“リアル”の場で手軽に現金をチャージできることを指摘する。
「私はSuicaのほうが、使い勝手がいいと思う。そもそも、Edyでは電車に乗れないが、Suicaなら乗れる。あまりビットワレットさんを刺激するつもりもないのだが……(笑)。」
今後、焦点となるのはセブンイレブン、ローソンといった“最大手”コンビニチェーンがどちらの電子マネーを採用するか。山田氏は「採用してもらえれば、それは我々としてもとてもありがたい。しかし、その交渉については申し上げられない」とした。
Suicaによるショッピングサービスは現在、1日約5万件の利用がある。多い店舗では、1日の総売上金額のうち約15%を、Suica利用金額が占めるという。
店舗 | 利用件数(6月末) |
---|---|
NEWDAYS 渋谷中央口 | 569件 |
NEWDAYS 田町 | 559件 |
NEWDAYS 大崎 | 533件 |
NEWDAYS 東京八重洲南口 | 513件 |
NEWDAYS 大宮西口 | 504件 |
JR東日本では7月14日に、Suicaのショッピングサービス担当部署であった「ITビジネス推進プロジェクト」を「ITビジネス部」に格上げした。同時に増員を行い、加盟店拡大に向けた提携交渉を担当させるなど、事業拡大に本腰を入れる。
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