オキシライド乾電池【おきしらいどかんでんち】

» 2004年09月27日 18時12分 公開
[江戸川,ITmedia]

 オキシライド(Oxyride)乾電池は、材料の一部にオキシ水酸化ニッケルを使用した次世代乾電池。パナソニックブランドの新商品として、2004年4月から松下電器産業が販売を開始し、すでにコンビニなどの店頭に並んでいる。

 充電をせずに使いきりとする一次電池、いわゆる乾電池は、これまでにマンガン乾電池、アルカリ乾電池と進化を続けてきた。松下電器産業によれば、アルカリ乾電池が国内で販売されたのが1964年であり、それから40年ぶりに乾電池の世界に新しい技術が投入されたことになる。

 もっとも、富士写真フイルムからは、アルカリ電池の3倍長持ちするというリチウム乾電池が発売されており、必ずしもこれまでに新製品がなかったわけではない。リチウム乾電池はアルカリ乾電池よりも軽量で、低温に強いなどの優れた特徴を持っているが、価格もアルカリ電池の3倍ほどとなり、本格的な普及には至っていない。

 オキシライド乾電池の特徴は、アルカリ乾電池と同程度の低価格でありながら、性能比で約1.5倍、デジカメなどの高負荷がかかる製品では約2倍の寿命を持つこと。また電圧を高いまま維持するため、モーターなどのパワーを要求する製品にも向いている。

 オキシライド乾電池は、正極素材としてオキシ水酸化ニッケル、および新開発の黒鉛と二酸化マンガンを採用。また黒鉛を小さくし、電解液を増量するなどの工夫で、パワフルかつ長寿命を実現している。従って、デジカメなどには最適なものの、懐中電灯のような低負荷な製品には向かない。明るすぎて電球が切れてしまうのだ。

 ちなみに、松下電器産業のサイトでは、オキシライド乾電池とアルカリ乾電池のパワー対決を行っており、各種の実験結果を動画で提供している。

オキシライド乾電池のパッケージ(http://national.jp/
product/conveni/battery/oxyride/lab/all/images/at4_01.jpgより)
オキシライド乾電池の仕組み(http://matsushita.co.jp/
products/story/battery/case01/img/p_notes1.gifより)


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