ユーザーの囲い込みは家族から──。家族の間で同じキャリアの携帯を使えば、料金を割り引くサービスの競争が激化している。
10月1日から、ドコモは家族間のiモードメールの送受信を無料に(9月1日の記事参照)。KDDIも対抗して、11月1日から家族間のCメールの送信料を無料とする(受信は当初から無料)。
では、こうしたメール無料化の効果はどれくらいあるのだろうか。
インフォプラントのC-NEWSが実施したアンケートによると、「1日1件以上、家族にメールを送る」と回答したユーザーは、4割に達した。家族へのメール送信件数は、30歳以上のほうが29歳以下よりも多く、若年層以外が恩恵を受ける点にも注目だ。
家族間のメール無料化は、5割以上が「評価する」としており、6割以上が「サービスに対する利用意欲が高まる」と答えた。
KDDIによると、家族割に加入している個人ユーザーの割合は6割を超えるという。同社が躍進した背景には、割引率が高く個別に請求書が送付できるなどの特徴を持った家族割の貢献が大きかったのは間違いない。
しかし、ドコモもファミリー割引サービスを急拡大させている。4月には基本使用料の割引率をauと同じ25%に拡大したほか(1月29日の記事参照)、10月からのメール無料化では先手を取った。先述のC-NEWS調査によると、ファミリー割引加入者は7割強に上る。
携帯電話市場の伸びが減速しているなかで、各キャリアの方針は、新規獲得から既存ユーザーの囲い込みにシフトし始めている。これまでは、キャリアを乗り換えると電話番号が変わってしまうことが、ユーザーの囲い込みに大きく貢献していたが、2006年にも始まる予定の番号ポータビリティ(MNP)によって(3月30日の記事参照)、ユーザーの大移動が予想されるからだ。
個人向けの囲い込み策として、家族割引きの重要性がこれまで以上に高まっている。
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