「2画面特許の訴訟は、まだ終わっていない」〜ADC

» 2004年10月12日 16時42分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 2画面の液晶を搭載した携帯電話の特許、いわゆる2画面特許をめぐる紛争で(10月8日の記事参照)、エイディシーテクノロジーはドコモに対して損害賠償の請求権がないことが認められた。特許庁は既に、同特許には無効理由があるとして取り消しを決定している。もっとも、これで係争が完全に解決したわけではないようだ。

 エイディシー側は2004年4月15日付けで、特許の訂正請求を行っているほか、同特許の取消しに対して審決取消訴訟を提起している。エイディシーの社長を務める足立国際特許事務所の足立勉弁理士は、ITmediaの取材に応じて「審決取消訴訟が認められれば、損害賠償の請求を行う予定」と話した。

ITmedia 2004年8月に、特許には無効理由があるとして取り消しが決定されたようだが。

足立 2003年11月18日と19日に、複数の法人、個人から当該の特許に対して異議申し立てがあった。「本特許は過去の特許から容易に類推されるもの」、つまり過去の特許と似ているという主旨だった。個人名で申し立てているケースも、特定の法人と関連があるのだろう。

ITmedia その後、エイディシーテクノロジーは特許の訂正請求を行っている。

足立 特許請求の具体的な範囲を限定したもので、特許庁で訂正は認められたが、その上で特許は無効・取り消しということになった。これについて、判断の取消しを求めて東京高裁に審決取消訴訟を提起している。

ITmedia 主張が認められて、「特許の取消し」が取り消しになった場合はどうするのか。

足立 そうなれば当然、訂正の請求書に記載した内容で最初から特許が存在したことになる。我々としては、主張が認められれば改めて損害賠償も請求する予定だ。

 10月1日付けの判決は「途中経過」に過ぎず、(ドコモとの訴訟は)“1時的に休戦する”ものと解釈している。今回の判決で我々がダメージを受けたとか、そういうことはないと考えている。


ドコモ広報部のコメント「10月1日の判決については、我々の主張が認められたものと思っている。エイディシーテクノロジーが起こした審決取消訴訟については、特許庁の判断に関わる部分であり、我々としては今後の成り行きを見守りたい」

 (文中敬称略)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年