携帯ソフトウェアの無線アップデート、その仕組みは?

» 2004年10月12日 22時58分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 携帯電話で無線経由(OTA:On-the-Air)のファームウェアアップデートのソリューションを提供する米Bitfoneが10月12日、日本市場でのサービス販売体制を強化すると発表した。アジアパシフィック地域の担当副社長としてフランク・フー氏を迎え、キャリアや端末メーカーに同社製品群をアピールする。

photo Bitfone会長兼CEOのジーン・ワン氏。「OTAでのファームウェアアップデートは、(持ち込みなどの)従来方式と比べ容易。80億ドルのコストインパクトがある」

 無線経由のソフトウェアアップデートは、ドコモが252iシリーズから対応しているほか(2003年10月10日の記事参照)、KDDIも2005年中に対応予定(7月21日の記事参照)。同じキャリアでも端末メーカーによって採用するソリューションが異なり、たとえばBitfoneはドコモのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製端末「SO505iS」「SO506iC」に採用されているといった状況だ。

 Bitfoneのライバルになるのが、米InnoPath Software。ドコモでソニー・エリクソン以外の端末メーカーで採用例があるほか、KDDIも同社技術を採用することを明言している。なお、ドコモの端末でソニー・エリクソン以外はすべてInnoPathというわけではなく「端末メーカーの独自方式でやっているケースもあると聞く」(Bitfone)とのこと。

Photo アジアパシフィック地域担当副社長に就任した、フランク・フー氏。ネットワーク業界およびテレコミュニケーション業界で、10年以上の経験を持つという

Bitfoneの強みは

 Bitfone会長兼CEOのジーン・ワン氏は、同社のサービスは「SmartCare」「mProve 4.0」「Mobile Variance Platform」という3つの要素技術から成り立つと説明する。

 SmartCareは、携帯キャリアが端末を遠隔診断するサービス。デバイスIDやソフトウェアのバージョンといった端末情報を、自動的に集めることができる。mProve 4.0は、アップデートのための差分情報のみを圧縮してパッケージ化し、配布するサービス。フォールト・トレラントな仕組みになっており「アップデート中に端末の電源がオフになっても、電源オンになった瞬間にアップデートを再開する」(ワン氏)。Mobile Variance Platformは、マルチベンダー対応のデバイスメンテナンスサーバ。デバイス使用状況を取得するなど、マーケティングにも活用できる。

 ワン氏は、BitfoneのOTAソフトウェア・アップデートはSSL通信や電子署名にも対応しており、セキュアだと話す。また、OMA(7月31日の記事参照)の標準を採用しており、相互運用性にも配慮した点が特徴だという。

 ワン氏は「InnoPathと比べると、我々は標準化を進めており、OMA準拠のあらゆる端末のファームウェアアップデートを一元管理できる。また、カスタマーケアのソリューションを持っているのもInnoPathにはないポイントだ」とアピールした。

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