ノキアとNRIラーニングネットワークは10月20日から、Series 60アプリケーションの開発トレーニングコースを開始した。デベロッパープログラム「Forum Nokia」の会員を中心に30名余りが、3日間のコースに参加する。
今回の認定トレーニング・プログラムは、Nokiaが全世界約17校で提供しているもので、日本での開催は初めて。2005年1月からは、一般から参加できるコースも設置し、年間で1000名のトレーニングを目指していく。
Series 60は、ハイエンド端末向け汎用OSとして主要な位置を占めるSymbian OSのUIデザインの1つ(2003年6月26日の記事参照)。Nokiaが開発し、Samsungやパナソニック モバイルなどにもライセンスしている。Series 60に対応したアプリケーションは、メーカーを問わず、同プラットフォーム上で動作するため、仕様上互換性の低いJavaに比べて世界展開が行いやすいといった特徴がある(8月26日の記事参照)。
国内向け端末では、これまでに富士通がSymbian OSを搭載したFOMAを数機種投入しているが、Series 60には対応していなかった。10月20日に、ノキア・ジャパンはSeries 60に対応したW-CDMA端末「Nokia 6630」の投入を発表(10月19日の記事参照)。これにより、国内でもSeries 60プラットフォームが本格稼働することになる。
Nokia 6630+Series 60が、国内で最初に狙うのはエンタープライズ用途になりそうだ。ゲームなどエンターテインメントに特化したJavaとは異なり、VPNを使ったイントラネットアクセス可能なアプリケーションを提供できるなど、セキュリティに配慮した設計が可能な部分がSeries 60の強み。端末製造番号によって動作を制限したり、サーバ側からアプリケーションを一括アップグレードできるなど、管理機能も強化されている。
「これまではエンタープライズに特化した端末がなかった。(Nokia 6630のように)プラットフォームが用意されたときに、エンタープライズ向けのアプリケーションが整っているようにするために、今回のトレーニングがある」(ノキア・ジャパン プロダクトマーケティング部テクノロジーマーケティングマネージャーの大塚孝之氏)
今回のトレーニングは、Series 60向けアプリケーション開発の“障壁”を取り除くのが、第1の目的。
「開発者の方にはトレーニングでSeries 60上での開発のヒントを持って帰ってもらって、(自社内で)持っている技術やノウハウとと組み合わせたときに、どんなアプリケーションができるかに期待している」(フォーラム・ノキア ビジネス開発部長の遠藤元宏氏)
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