ネットワーク対応の監視カメラは歴史が古い製品だが、あくまで業務用がメインだった。しかしコンシューマー向けに、携帯電話と連携できるペット監視用のカメラが登場している。ポイントは「携帯で見られる手軽さ」。各社に話を聞いてみた。
“オバケのQ太郎”のような愛きょうのあるルックス。松下ブースで見かけた「BL-C30/BL-C10」は、家庭用のネットワークカメラだ。携帯電話の場合は静止画で、PCの場合は動画で、室内の様子を確認できる。
Webサーバ機能を内蔵しているため、インターネットに常時接続できる環境であれば、いつでも家の中の様子をモニタリング可能だ。固定IPを持っていない場合でも、DDNSサービス「みえますネット」(月額1029円から)に加入すれば簡単に利用できる。
一番人気がある用途は「留守番をしているペットのチェック」。「携帯で使えるから、という理由で購入してくれるお客様が多いようだ。携帯電話に送られてきたペットの写真を見ると、安心するだけでなく気持ちも和む。携帯電話から操作できる、という気軽さ、手軽さが受けているのでは」(説明員)。
同社は古くから業務用監視カメラを手がけてきたが、家庭用の製品は初めてだという。家庭用製品を販売するにあたり、テーマとしたのが「見守る」ということ。例えば、自分が家にいるなど不要なときには、本体手前にある「LENS」ボタンを押せばクルンと反転してレンズが閉じる。プライバシーに配慮した、“家庭用”ならではの機能だ。また、温度変化に反応する人感センサーを搭載しており、センサーが反応した瞬間とその前後の画像を、携帯電話やPCにメールで送る機能も付いている。
KDDIブースにあったのが、AOSテクノロジーズの「iSeePet(アイシーペット)」。こちらもネットワーク対応のペット監視カメラだ。常時接続環境であれば、携帯から静止画、PCから動画でモニタリングできるのは同じだが、こちらはリモートコントロールで、ペットにエサをあげられる機能付き。固定IPを持っていない環境でも、iSeePetのサーバを通すことで利用でき、毎月の使用料金もかからない。
本体にドライタイプのペットフードをセットしておき、遠隔操作でペットフードをお皿に出すしくみ。ペットが気付くように音楽を鳴らすこともでき、エサの量は8段階にセット可能ときめ細かい。携帯電話、PCのいずれからでもコントロールできるので、外出中でも安心だ。
価格は6万3000円前後。上のふたを開けて、ペットフードをセットする。カメラは固定でリモートでは動かせないが、画角130度と広角レンズなので、映らなくて困ることはなさそうだ。
「PCからも使えるが、やはり携帯から利用される方が多いようだ」(説明員)。2002年から販売を開始し、ペットショップを中心に約2000台を販売したという。現在発売されているのは2代目の製品。トレイを取り外して、洗いやすくするなど、ユーザーの声を反映して、使い勝手が改善されている。
ほかに、有線ブロードネットワークスが構内工事を担当した、ペット可の新築マンションに一括導入された実績もある。
携帯電話からいつでもかわいいペットの写真が見られる、しかもエサもあげられるとなれば、次に期待するのは「ペットに話しかけたい」ではないだろうか。
松下ブースの「Nevica-F(WV-NM210F)」は、FOMAのテレビ電話機能に対応したカメラだ。CFカードスロットに同社製のカード型FOMA(P2402)を差し込むと、FOMA端末とテレビ電話ができる。
15コマ/秒の動画をFOMA端末から見られるほか、内蔵マイクでペットの鳴き声を聞くことができ、アンプ内蔵スピーカーをつなげれば、ペットへ話しかけられる。数字キーからカメラの操作もでき、カメラを好きな方向に向けられるほか、パン/チルトも可能で、3倍ズームと高機能だ。
携帯電話さえあればいつでもどこでもペットに話しかけられる、ある意味「いい時代」がやってきたわけだが、問題はコスト。Nevica-Fは10月25日発売予定だが、実売予想価格は約8万円、ランニングコストはFOMAの通話代。でも愛するペットのためなら、それくらいは全然高くない?
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