開発講座の第2回では、カードゲームを作成する課程をレクチャーしていきたい。“ゲームアプリ作成ならでは”の手法も交えて説明するので、Javaを少し触ったことのある人でも、新鮮味を感じられるだろう。
本講座で開発するのは、ネットワーク対戦機能を備えたトレーディングカードゲーム(TCG)。900iシリーズならではの大容量・高速通信・カメラ撮影機能を生かしたアプリを作成する。
今回は基本的な描画とキーイベント処理をアプリで実現し、土台となるゲームアプリを作ってみる。具体的には、「タイトル画面を表示」-「カード画像を表示」-「キーイベントを取得」-「カーソルを動かしてカードを選択する」部分までを作る。
まずはゲームを作っていくための第一歩として、タイトル画面を表示させてみよう。
画面に何かを表示させるときには、ゲームアプリであれば、Canvasクラスのpaintメソッドを用いる。以下のたった十数行のプログラムでiアプリが完成する。
エミュレータを起動し、Cardという名前でプロジェクトを作成。エディタで以下のプログラムを入力し、Card.javaファイルとして保存する。
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これをCardプロジェクトのsrcフォルダに入れ(デフォルトではC:\iDKDoJa3.5\apps\Card\srcの下)、ビルドして起動ボタンを押してみよう。画面に「カードゲーム」と表示されたはずだ。
詳しく説明すると、メインのクラスであるCardはプロジェクト名と同じでなくてはならない。クラスCardは、IApplicationというクラスを継承しているが、iアプリを作るためにはこのクラスを継承しなければならない。
iアプリが起動すると、初めに以下のメソッドが呼ばれる。
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ここで、キャンバスを継承したクラスCを作る。
クラスCが作られると、コンストラクタが実行される。
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クラスDisplayのsetCurrentメソッドによって、このキャンバスをカレントフレームにする。setCurrentのイメージは、PCでウィンドウにフォーカスを合わせ、最前面に表示させる動作のようなものと考えていい。
次に、キャンバスがカレントフレームに設定されると、paintメソッドが1回だけ呼ばれる。
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このメソッドの中に書いてある処理が画面上に表示される。例えば、drawStringは、第1引数が表示する文字列(String)で、第2引数と第3引数はそれぞれ表示する位置のX、Y座標である。
ここで、第1回の時にダウンロードしたリファレンスのGraphicsクラスのページを見てみよう。drawString以外にもさまざまなメソッドが掲載されている。
例えば、setColor(int c)を文字描画の前に行えば、文字に色が付いて表示される。代表的な16色は、Graphicsクラスに定数として定義されているから、以下のようにして描画色を青色にできる。
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ほかにも、矩形(長方形)描画drawRectなど、リファレンスを見ていろいろ試してみよう。
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