コラテラル「つながってくれ……電話を取れ!」Mobile&Movie 第136回

» 2004年11月05日 13時22分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名コラテラル(COLLATERAL)
監督マイケル・マン
制作年・製作国2004年アメリカ作品

公開中の作品のため、この映画を見る予定の人は、見終わってからこの記事をお楽しみください

 ロサンゼルスのタクシードライバー、マックスは今夜も昨日と変わらない平凡な1日を過ごすはずでした。運転手としての誇りを持ち、善良でありたいと願うマックスですが、タクシードライバーの仕事では客とのやりとりでストレスが溜まりがち。今日最初の客も、車に乗り込む時から、携帯電話で喋りっぱなしの美しいキャリア・ウーマン。行く先を聞いて車を出すと、その女性は道順まで高飛車に指示してきました。

 しかし、マックスは高速に乗った方が渋滞を避けられ、早く着くと主張。渋滞になったほうが料金を稼げるのに、正直に答えたマックスに女性客は好感を抱きました。彼女の名前はアニー。明日大事な仕事を控え、神経が高ぶっているのだとマックスに打ち明けます。そんなアニーに、マックスは自分のリラックス解消法を伝授します。こうして、わずかなドライブの間に心を打ち解けた2人。アニーはマックスに名刺を渡して、車を降りて行きました。

 魅力的な女性と知り合えて、今夜は良い1日になりそうだと甘い予感を抱いていたマックス。しかしアニーの次に乗せたのはとんでもないお客……。男はヴィンセントと名乗る中年の男。夜が明ける前に5人の顧客を回り、契約書にサインをもらわなければならないので、タクシーをチャーターしたいと言い出します。普段の稼ぎの倍額を提示され、怪しいと思いつつマックスはしぶしぶ承知します。それがマックスの悲劇の始まりでした。

 ヴィンセントが今夜会う5人の顧客というのは、ヴィンセントが殺すターゲット。5人の殺人をわずか数時間で行うために、ヴィンセントはロサンゼルスの道に詳しく真面目な運転手として、マックスを選んだのです。ヴィンセントは後部座席で、バッグの中からターゲットの資料を取り出し、周到に殺しの準備を進めます。そうとは知らず、リスト1人目の家へと向かったマックス。

 ヴィンセントが車から降り、戻ってくるまでの間に、マックスはヴィンセントが何をしに来たのか思いがけず知ってしまいます。他の車に乗るよう頼みますが、ヴィンセントはこれまでのフレンドリーな態度から一変、銃を突きつけ、マックスに運転を続けるよう脅してきたのでした。マックスが抵抗すれば、巻き添えになる死者が増えるとまで。しかたなく、ヴィンセントの言う通りタクシーを走らせるマックス。ヴィンセントは容赦なくターゲットを殺していきます。

 やがて、この事件に対してロス市警が動き出しました。殺人現場におもむき、被害者の素性に気付いたのはファニング刑事。ヴィンセントが殺した1人目の男と面識があったのです。そして目撃情報から不審なタクシーの存在を知り、持ち主を割り出し

「免許のコピーを俺の携帯電話に送ってくれ」

 と本部に頼みます。マックスのデータがファニング刑事の携帯電話に表示されました。マックスを殺人事件の重要参考人としてマークし、さらに捜査の応援を携帯電話で要請します。このように、ロス市警は携帯電話を駆使して、殺人事件の犯人を追いかけていきます。

 マックスは、殺し屋ヴィンセントから逃れられるのでしょうか。それとも、ヴィンセントの代わりに殺人事件の容疑者として逮捕されてしまうのでしょうか。

物語のクライマックスは

「つながってくれ……電話を取れ!」

 とマックスが携帯電話片手に祈る、緊迫した場面。全編を通して、携帯電話、PDA、スティック型ハードディスクなど、数多くのモバイル製品がが登場する作品です。

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