Bluetoothで“ボウリング黄金時代”をもう一度

» 2004年11月11日 17時09分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 ジェトロニクスは11月11日、ボウリング場向け新端末「With AL」を発売した。レーン手前に設置するスコア操作用タッチパネル端末を、Bluetoothでワイヤレス化し、小型化した製品。配線不要なため、座席レイアウトの自由度が高まる。

 OSにはWindowsを採用して拡張性を高めたほか、インターネット接続も可能になる予定。ネット経由で近所の飲食店の予約をしたり、複数のボウリング場システムを接続して大規模な大会を開く、といった使い方を想定する。

「With AL」を持つ開発者の田房洋子さん

 ボウリングシステムのメジャーバージョンアップは、同社としては約10年ぶり。日立製作所と共同で開発した。

 従来のタッチパネル端末は、サーバシステムと有線接続していたためケーブル敷設工事が必要。さらに、2台を隣同士に設置する必要があったため、シートを隣のレーンと共有せねばならなかった。

 新製品はBluetoothで通信するためケーブル工事が不要。端末は約17(幅)×17(高さ)×4(奥行き)センチと小型で場所をとらず、2台を隣同士に設置する必用もない。レーンごとにパーティションで区切るなど、自由なレーン設計が可能だ。

レーン設計の例

 端末OSにはWindows XP、サーバOSにはWindows Server 2003を採用した。従来の専用OSと違って開発コストが低い上、新しいアプリケーションの開発や新機能の搭載も容易だとしている。

 ユーザーは同端末から、名前の登録や変更、スコア修正、ハンデの登録などが可能。ミニゲームもプレイできる。ユーザーインタフェースを工夫し、初めてでも簡単に操作できるようにした。

 電源はクレードルから供給するため、普段はクレードルに設置して利用する。充電池を内蔵し、クレードルからはずしても約1時間強連続使用できる。

 来年3月には、端末をインターネット接続可能にする予定。ネット経由で音楽や映像をダウンロードして楽しんだり、ボウリング場近くの飲食店やカラオケ店の予約をするといった利用法を提案する。複数のボウリング場をネットでつないで大規模なボウリング大会を開催することも可能になるという。

 オプションとして、頭上に設置するスコア表示ディスプレイ「オーバーヘッドディスプレイ」と、専用シートもラインアップした。ディスプレイは42インチのPDPで高画質をアピール。シートは弓なりの形状で、ボウリング場のデザインに合わせてさまざまな並べ方が可能だ。

専用シート
専用シートの配置例

“中山律子時代”をもう一度

 「もう一度ボウリング場を活性化したい」――発表会に同席したボウリング場オーナー団体・OBSK全国会の藤元良一会長は真剣な表情だ。1970年前後、プロボウラーの中山律子さんブームでボウリングが盛り上がり、最盛期には全国に3000のボウリング場があったが「あっという間にブームが沈静化した」(藤元会長)。ボウリング場数は一時、800にまで減ったという。

 その後、スコアを自動でつけてくれるシステムが普及し、1100施設にまで盛り返したが、ブームの再来とまではいかない。新製品をボウリング再興の起爆剤にしたい考えだ。

加賀山進社長

 ジェトロニクスの加賀山進社長によると、同社は国内ボウリングシステムのシェアトップ。全国約3万3000レーンのうち、約1万1500レーンに同社のシステムが導入されているという。

 新製品で、同社ユーザーの買い替え需要に加え、他社システムを利用しているユーザーも取り込みたい考え。すでに約300レーンへの納入が決まっているという。

 導入価格は、1レーンあたり100万円以下と、従来システムよりも低価格に抑えた。工事不要のメリットもアピールして導入を進めたい考えだ。

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