黒いピラミッドでMPEG-4録画してみた〜「携帯でビデオ」レビュー(1/2 ページ)

» 2004年11月16日 18時04分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 「携帯でビデオ娘。」の襲撃からおよそ3週間。ITmedia編集部に、怪しく黒い光を放つピラミッドが届いた。

 「携帯でビデオ」(KV-900)は、メモリカードにMPEG-4録画を行い、ケータイで視聴できるようにするビデオレコーダーだ。3G携帯電話での動画標準となっている3gp準拠のMPEG4フォーマットを使い、SDメモリカード、またはminiSDメモリカードに録画できるという。早速、そのピラミッドパワーを検証してみよう。

photo 外形寸法は116(幅)×116(奥行き)×52(高さ)ミリ。クフ王のピラミッドのちょうど1/2000のサイズだ。黒と赤の配色に深い意味はないそうだが、どことなく意味深な雰囲気もある。メモリカードのスロットはSDカード対応で、miniSDカード利用時にはアダプタ(製品に付属)を利用する

 その前に少し捕捉しておきたい。「携帯でビデオ」は、ソリッドアライアンス、三菱樹脂、メディアリング、コネクトテクノロジーズの4社が共同開発したものだが、4月の製品発表から半年近くも発売が延びていた(ピラミッドは発売時期も神秘なのだ)。最近になって発売日が12月3日に決定。「携帯でビデオ娘。」の登場となったわけだ。ソリッドアライアンスとメディアリングの直販サイト、もしくはビックカメラなどの大手家電量販店で入手できる。

photo カードスロットの反対面にはSDメモリカードを立てておけるスペースがある。電源を切った状態では漆黒となり、ますます神秘的(?)

 さて、ビデオレコーダーといっても「携帯でビデオ」はテレビチューナーを内蔵していない。コンポジットのAV入力端子を備え、ビデオデッキなどの映像出力とケーブル接続して録画するスタイルだ。ただ、AV信号の入力に連動した録画機能があるため、ビデオデッキなどに接続しておけば、デッキ側のタイマー録画に合わせて自動的に録画を始める(後述)。

photo 操作部の反対側、つまり背面にDC入力、AV入力を装備している。S端子はなく、コンポジット入力のみだが、録画する解像度を考えれば問題はない。電源は付属のACアダプタを利用する
photo 付属のAVケーブルはちょっと凝ったもの。ビデオデッキやチューナーなどに接続する側にメスコネクタも備えていて分岐できるタイプだ。AV出力に空きがない場合でも困らない

 動画再生は携帯電話で行うことが前提だ。対応機種は、NTTドコモのFOMA「900」シリーズが中心だが、一部のPDCやvodafoneの「V601SH/V602SH」「SH53」などでも再生可能。残念ながら、auには対応機種がない(対応機種一覧はメディアリングのWebサイトを参照)。

 録画時の画面サイズは「L」「S」の2通り。「L」(ラージ)は176×144ピクセル(QCIF)、「S」(スモール)は128×96ピクセルとなっている。また、それぞれのサイズで「F」(ファイン)、「n」(ノーマル)、「E」(エコノミー)という3段階の画質を選択できるため、計6段階の録画品質設定が可能だ。録画品質は本体のボタンで1つで切り換え可能。インジケータ部には「L-F」「S-E」といった形で表示する。

photo モード切り換えボタンを押すと、録画品質の設定が「L」の「F/n/E」、「S」の「F/n/E」という順番で切り替わる

 また、再生する携帯電話の機種によってビットレートが変化するようになっており、富士通製を除くFOMA「900シリーズ」では、端末種別を「SPE」に設定すると、画面サイズこそ変わらないものの、より高いビットレートで録画が可能になる。

photo 初めて利用するメモリカードでは自動的に設定モードに切り換わる。また、録画ボタンとモード切り換えボタンを同時に長押しすると設定モードを呼び出せる

 プレスリリースにある「128Mバイトのメモリカードに2時間の高画質録画」は、機種設定を「SPE」以外に設定した場合の、画質「F」設定時だ。「SPE」に設定するとかなりビットレートを引き上げるようで、画質「F」では128Mバイトで約42分間、画質「E」でも約83分間になってしまう点には注意したい。まぁ、画質相応ということなのだろう。

 なお、機種設定情報はメモリカードに記録しているようで、複数のケータイで利用する場合にもケータイごとに利用するメモリカードを決めておけば、適切な録画品質で録画できる。家族で利用する場合など、複数のケータイを使っていても不便は感じない。

スムーズな映像だが、テロップはぎりぎり?

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