出そろった冬の3G〜FOMA、WIN、V3Gを比較する(1/3 ページ)

» 2004年12月09日 23時19分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 ボーダフォンの3G端末7機種KDDIのWIN端末4機種、そしてドコモのFOMA 901iシリーズ5機種と、3G(第3世代携帯電話)をサービスする3社が、冬の最新ラインアップを発表した。

この冬、3社の3Gが正面から激突

 この冬の新機種が注目されるのは、3社の3Gが初めて正面から激突することになるからだ。ここ数年の各社の状況を振り返ってみれば、“3Gで先行した事業者が勢力を増す”という構図がはっきりと見て取れる。

 2002年4月にCDMA 1X方式を使って3Gサービスを開始したKDDI(2002年3月11日の記事参照)、3Gの普及で独走。その後、2003年11月には携帯初となるパケット定額制と共に「CDMA 1X WIN」サービスを開始(2003年10月22日の記事参照)。1Xサービス発表当時は、J-フォン(現ボーダフォン)に契約者数で抜かれるなど(2002年4月5日の記事参照)苦難の時期だった。しかし3Gで先行した結果、純増シェアで業界トップを走るまでに至った(11月8日の記事参照)

 対するドコモは、2001年10月にFOMAサービスを開始したものの(2001年9月3日の記事参照)、当初は端末ラインアップも少なくサービスエリアも貧弱。3Gで他社と勝負できるようになったのは、電池寿命の伸びた「2102Vシリーズ」を投入した2003年からのことだ(2002年12月10日の記事参照2003年6月16日の記事参照)。2004年2月にFOMA 900iシリーズを投入したことで、ようやく本格的に3Gへのシフトが始まった(2003年12月18日の記事参照)

 ボーダフォンの状況はさらに苦しかった。3Gサービスの延期を繰り返し、試験的な端末でサービスインしたのは2002年12月(2002年12月3日の記事参照)。約1年後の2003年11月には、ようやくWeb/メールサービスに対応した3G端末投入にこぎ着けるが(2003年10月1日の記事参照)、端末はわずか2機種(2月2日の記事参照)。KDDIがWINをスタートさせ、ドコモが900iシリーズを投入する中で、3Gサービスでの出遅れは決定的となっていた。3G展開に手間取る中で、市場シェアも徐々に低下。2004年8月には、契約者数が純減となるなど(8月6日の記事参照)、これまで苦しい状況が続いてきている。

時期 ドコモ KDDI ボーダフォン
2001年 FOMA開始
2002年 2102V投入 CDMA 1X開始 VGS開始
2003年 1X WIN開始 Web対応VGS投入
2004年 900i投入
2004年冬 901i投入 着うたフル端末投入 Vodafone 3G 7機種投入
3G3キャリアの月間純増シェアの推移(折れ線グラフ)と、3G累計契約者数(棒グラフ)の推移。1X開始から徐々に純増シェアを伸ばしたKDDIと、ドコモが900iの投入以後、純増シェアで盛り返してきたのが分かる
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