NTTドコモ初のGSM対応FOMA端末となった「N900iG」。FOMAカードを差し替えるだけで、海外でも気軽に使える端末だ。
普段使っている携帯電話を、番号もそのままに海外へ持ち出せて、通話やメールが行える海外ローミング端末は、auのGLOBALPASSPORT対応機やボーダフォンの3G端末で既に実現している。しかしドコモでは本製品が初めてだ。
N900iGを使用する機会に恵まれたので、ラスベガスで開催された「International CES 2005」と、サンフランシスコで開催された「MacWorld Expo」の取材で使ってみた。
本製品はFOMAなので、日本国内の利用だけに限定すればFOMAカードを差し替えるだけで何ら問題なく機種変更が行える。しかし、海外で利用する場合には、出国前に国際ローミングに対応させるための「WORLD WING」を申し込んでおく必要がある。WORLD WING自体の利用料金は無料だが、申し込んでおかないと渡航先のネットワークに接続できず、通話自体が全く不可能になってしまうので、忘れずに申し込んでおこう。
また、海外でiモードを利用するためにはiメニューから「海外利用設定」をONにする(「iメニュー」-「オプション設定」-「海外利用設定」)必要がある。こちらも忘れずに設定しておこう。
利用できる国と地域に関しては、こちらを参照のこと。
事前の申し込み・設定が済んでいれば、外国で本製品の電源を入れると自動的にネットワークを検索し、最適なネットワークに接続される。
ネットワーク選択については出荷時から「オート」(自動切り替え)になっているので、取り立てて渡航時に設定を切り替える必要はない。しかし、利用するネットワークによって提供されているサービスに違いがあり、渡航先によっては複数のネットワーク圏内に入ることも予想されるので、あらかじめ3Gなら3G、GSMならGSMのみに接続するという設定も可能だ。
接続ネットワークと利用できるサービス
サービス | 音声通話 | iモード | SMS | パケット通信 | テレビ電話 |
---|---|---|---|---|---|
FOMA | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
3G | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
GPRS | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
GSM | ○ | × | ○ | × | × |
※2004年12月現在、3G/GPRSのパケット通信はiモード以外のサービスが利用できないとアナウンスされているが、利用対象外になるのはPCなどを接続してのデータ通信のこと。iモード用のいわゆる勝手サイトの閲覧は可能だった
AT&Tのネットワークに接続したところ。左上には「AT&T」、右上には「GPRS」の文字が見える |
今回の渡航先は米ラスベガス(ネバダ州)。マッカラン国際空港で電源を入れると自動的にネットワークを検索し始め、AT&T(GPRS)のネットワークに接続した。
海外での利用を念頭に置いたモデルということで、通話関連の機能も手が加えられている。電話帳から電話番号を検索して通話しようとすると、携帯が自動的に国番号を付加してくれるのだ。この機能(国番号自動付加)は「日本の電話へ国際電話をかける」設定がデフォルトでONになっており、海外から日本国内へ電話をかけたいときには重宝する。
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