“ほどよく”世界統一に準拠〜国内専用3G端末「802N」(1/2 ページ)

» 2005年02月15日 00時29分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 ボーダフォンの3G端末といえば、冬モデルから世界共通仕様になり、操作性が一新されたことに注目が集まった。これまでの日本製端末とはインタフェースや操作体系が異なるため、気軽に機種変更できない点が指摘されている。

 ただ冬モデルの中でも、NEC製の「802N」は、若干事情が異なる。国内専用の3G端末として販売されるからだ(2月4日の記事参照)

 気になるのは802Nが、どこまで世界共通仕様に準拠しているか──だろう。国内向けということで、従来のNEC端末の操作性が生かされているなら、ユーザーにとって魅力的な選択肢になりうる(2004年9月の記事参照)

QVGA液晶と124万画素CMOSを搭載、長い待ち受け時間

 まずは、基本スペックを見ていこう。スタンダードな折りたたみスタイルで、メインディスプレイに2.2インチのQVGA液晶、背面に1インチのTFT液晶を装備。背面に124万画素のCMOSカメラを備える(2004年9月の記事参照)

 スタンダードな折りたたみスタイルだが、直線と曲線を大胆に組み合わせたデザインは、これまでのNEC端末にはない雰囲気。ドコモ向け端末とは大きく異なるデザインだ


 右側面にminiSDスロットと平型イヤホンマイクジャック、左側面に電源/通信コネクタと上下ボタンを備える


 キーレイアウトは標準的。待ち受け状態では左ソフトキー、左方向キーともにメール機能の呼び出しだが、前者はメールメニュー、後者は受信メール一覧がいきなり表示される点が異なる

 重さは125グラムと、ボーダフォン3Gの冬モデルの中では最軽量。待ち受け時間は冬モデルの中で最長の430時間だ。この長い待ち受け時間はバッテリー容量が850mAhと大容量なこともあるが、NECが早くから3G端末を手がけていたこととも無縁ではないだろう。

NECらしさを感じさせる操作性

ボーダフォン3Gの冬モデルは、Vodafoneグループでの「Convergence=統一」を掲げて開発されている。調達コストを抑えることと、操作性の統一を図るのが狙いだ(2004年9月の記事参照)

 しかし日本という特殊な市場においては、それがネガティブに働いてしまった感がある。既に登場した3Gの冬モデルは、スペックはともかく、操作性については従来のボーダフォン端末とは大きく異なるものとなっている。これに戸惑い覚えたというユーザーの声は少なくない。

 802Nについても世界統一仕様は守られている。メインニューのインタフェースも、メール作成時の操作の流れも統一仕様に沿っている。メールは、まず本文を入力し、次に送信先、題名の順で入力するといった具合だ。ボーダフォン3Gでは、ドコモやKDDIの3G端末とは異なり、SMS(ショートメッセージサービス、auではCメール)とEメールを統合しているため、送信先を先に入力しないと件名が必要かどうかを判別できない。統一仕様に沿うのは必然となってしまうわけだ。

 メニューキーを押すと、3行×3列のアイコンメニューが表示される。ボーダフォン3Gの冬モデルから統一された機能とレイアウトだ


 メールではまず「本文」を入力し、次に下部にある封筒マークのアイコンを選択して「宛先」を入力。Eメール(MMS)であると確認されると初めて「件名」入力画面が表示される。慣れれば使い勝手も悪くないが、融通が利かないのも事実

 しかしメインメニューから一歩踏み込むと、メニュー構成や操作性にNEC端末らしさが見えてくる。カメラメニューが、CIFサイズまでの「フォトモード」と、VGA/SXGAで撮影するための「デジカメモード」との2つに別れている点はNEC製FOMAと同じ。またこれは、従来の国内向けボーダフォン端末と同じ仕様だ。

 これがカメラメニュー。NEC端末らしいメニュー構成
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