実は“音”をウリにしたい端末〜開発者に聞く「W31K」(1/3 ページ)

» 2005年03月03日 14時08分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 「WIN端末初のフレンドリーデザイン」。それが枕詞になっている端末が京セラ製の「W31K」だ。丸みを帯びたきょう体は、どことなく同じ京セラ製「A1403K」を思わせる。

PHoto
Photo サイズは約50×95×27ミリと、WIN端末としては「がんばっているほう」(京セラ)。角がとれたスタイルのため、手になじむ感触だ

 しかし開発陣に聞くと、ほかの特徴もアピールしたい様子。同社移動体通信機器統括事業部、マーケティング部 商品企画部の国内企画係責任者、矢島孝之氏と同マーケティング部 商品マーケティング課の三宅清文氏に聞いた。

音質はトップクラス〜「一番だと言いたい」

 W31Kは、京セラとしては初の着うたフル対応機でもある。三宅氏は、その音質に相当こだわったと話す。

 音は、端末両サイドのスピーカーから出る。ダイマジックの3Dステレオサラウンドプロセッサ「DiMAGIC Virtualizer X」(2004年10月15日の記事参照)を搭載しており、3Dサラウンドを実現する。

Photo スピーカー穴はここ。端末の両側面にあり、3Dサウンドを実現する

 「このチップを積んだだけで相当音は良くなるが、さらにきょう体の設計にもこだわった」

 W31Kでは設計上、低音が響くように配慮されている。詳細は「設計家が言いたくないといっている」(同)ほどの工夫がなされ、試行錯誤の末に開発されたものだという。

 音量も大きい。W31Kはもともと、フレンドリーデザインで「でか文字」「でか着信音」に対応した端末。着信音や通話中の受話音などは、通常よりボリュームが上がるようになっている。

 「実際に再生してみると分かるが、迫力がある。(音量を上げながら)これだけ大きな音を出しても、音が割れていない」(矢島氏)

 三宅氏は、とかく音質は数値化しにくいと断りつつ、W31Kの音は携帯の中でトップクラスだと強調する。「これが一番だ、と言いたい」

着うたフル再生時にも工夫が

 W31Kは、着うたフルの再生インタフェースも工夫している。

 三宅氏は「着うたフルの初代端末は『とりあえず(着うたフルに)対応』することへのプライオリティが高かったはず」と話す。「次の世代の着うたフル対応端末では、味つけがいるだろうと」

 具体的には、端末内蔵のプレイヤーで音楽再生中に「再生モード」を変えられる。低音が効いた「Bass」、高音を響かせる「Clear」、中域が出てボーカルの音声が前面に出てくる「Pop」、逆に中域が引っ込む「R&B」の4種類が用意されており、通常モードと合わせて5種類のバリエーションがある。

 「こうした機能はウォークマンでもあると思うが、携帯でもちゃんと対応した」

PHoto モードを変更するには、再生中に数字キーの「3」を押すだけ。何回も押せば順にモード(画面下部に表示)が変更される

 音楽の早送りやランダム再生、1曲のループなど従来機が対応していた機能も押さえた。「お休みタイマー」を設定すれば、30分/60分/90分間楽曲を再生して自動で終了する設定が可能だ。

 「利用シーンとしては、夜充電アダプタに挿しておいて眠るイメージ。夜、音楽を聴きながら寝て朝起きたら、充電は完了している」(三宅氏)

 ほかに、楽曲一覧画面で「ジャケットのアイコンによる一覧」を可能にするなど、遊び心をもたせている。

着うたフルの楽曲は「ジャケット」が用意されているが、そのジャケットを並べた一覧画面を用意した
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