3月5日、2005年のJリーグがいよいよ開幕を迎えた。この日埼玉スタジアム2002では、浦和レッドダイヤモンズが鹿島アントラーズを迎え、開幕戦が行われた。
前日の雪がうそのように快晴となったスタジアムには、5万2000人を超えるサポーターが詰めかけた。スタッフの尽力もあってか、心配されたピッチの状態も良好。日の当たる場所では汗ばむほどの陽気となり、観戦には絶好のコンディションとなった(もっとも、「厚別、もしくは高校サッカー選手権モード」に備えて用意してきたひざ掛け、靴用ホッカイロといった装備は無駄になってしまったが……)。
戦いを前にしたひとときの楽しみの1つが、南ゴール裏コンコースで販売されている「埼スタプリン」……ではなくて、今年から浦和レッズのメインパートナーとなったボーダフォンの特設ブースである。この特設ブースでは、ボーダフォンのロゴ入りニットマフラー(かなりしっかりした作りです)のほか、ポスター、ポストカードなどが当たる抽選会が行われた。
ブースオープン直後こそ空いていたものの、あっという間に長蛇の列が出来上がり、10分待ち、20分待ちという状態に。が、幸か不幸か「並び(とチケット争奪戦)」なら慣れているのが浦和サポ。この程度の待ち時間などものともせず、楽しげに抽選を行っていた。
スタジアム内には、早速ボーダフォンのロゴが入った2005年版のユニフォームを入手し、参戦したサポもちらほら。まだ見慣れていないせいか、一瞬「アーセナル?」「マンU?」とどきっとすることもあるけれど、試合を重ねていくうちに愛着が沸いてくるに違いない。
(以下、他チームのサポーターの方には不愉快なところもあるかもしれません。批判は甘んじてお受けしますので、どうぞご容赦を)
ボーダフォンに対しては、一サポとして足を向けては眠れない――というと大げさだけれど大いに感謝の念を抱いている。
そもそも、どのチームのサポーターも同じだろうと思うけれど、スポンサーになってもらえる時点で「ありがたや」である。かつてのユニスポンサー企業であるHPの発表会と重なったため、残念ながら新ユニフォームの発表会には足を運べなかったけれど、そこでの発言は本当にうれしく感じたものだ(「★」マークはちょっと微妙だが)。
もう1つありたがく思っているのは、昨年開催されたボーダフォンカップへの招待だ。
2004年セカンドステージ、浦和レッズは悲願のステージ優勝を果たした。特に、ステージ最初の数試合の爆発的な攻撃は、他のチームを震撼させるに足る、十分迫力のあるものだったと思っている。もともと豊富な攻撃陣を誇っていた浦和レッズだが、それが進化したきっかけの1つが、昨年夏に行われた親善大会「ボーダフォンカップ」での経験だったのではないかと思う。
このボーダフォンカップには、浦和レッズのほか、世界のトップレベルにある3つのクラブチームが招待された。PSVアイントホーフェン、ボカ・ジュニアーズ、そして本家MUFCのマンチェスター・ユナイテッドである。しかも会場はあのオールド・トラフォードだ。
残念なことに落雷のためマンチェスター・ユナイテッドとの試合は中止となり、実施されたのはボカ・ジュニアーズとの1試合のみ。けれど、本気モードのボカとぶつかり「世界のトップとの差」を体感したことが、後のチームに大きな影響を与えたと思う。
わずかな動き出しの差、判断力、そして1つひとつのテクニックの確かさ、レベルの高さ……素人の私がテレビを通じて見ただけでも明らかだったのだもの、選手たちはもっと「今の自分たちに欠けているもの」「やらなきゃいけないこと」を痛感したに違いない。そしてこの経験が、浦和のセカンドステージ躍進を支えてくれた要因の1つだったと思っている。
ということでボーダフォンさん、ぜひ今年も「本気」でのマッチメイクをよろしくお願いします。
さて、肝心の試合だが……既にメディアやBlogを通じて報じられているとおり、結果は、師匠こと日本代表の鈴木隆行選手のゴール(しかも小笠原満男選手のキックが冷静だった)で0−1。さすがJリーグ最多の9冠を誇る鹿島だけのことはあり、少ないチャンスをものにしてアウェイで勝利を収めた。
しかし残念ながら、せっかくの開幕戦は途中から「荒れた」ものになってしまった。浦和のサポーターとしてだけでなく、ただのサッカー好きとしても残念な結果だ。ただ、どんな理由があったにせよ、相手に手を上げてしまった以上、浦和の選手に対する非難は免れ得ない。
こんなところで言うことでもないだろうが、浦和レッズがさらなる高みを目指すならば、自分をコントロールすることを学ばなければならないとも思う。(悔しいけれども)2月に行われたA3(+同じ日に行われた開幕戦)での横浜F・マリノスの姿勢がいい例だ。もう1つ、決めるべきところで決めるしぶとさも。
……とは言うものの前半30分過ぎまでの浦和の攻撃を見て、私の頭の中では脳内快楽物質が出まくり、幸せにひたっていたもの事実。今年も浦和レッズは、胸のボーダフォンのロゴとともに、けれんみのない、見ていて楽しいサッカーをしてくれるに違いない……と確信めいたものを感じたTなのです。
開幕戦を終えて他のチームのサポーターの方も感じているのではないかと思うけれど、スタジアムに通うことの楽しさを改めて感じるとともに、余計な思惑を交えず、純粋にチームを後押ししていきたいという思いを新たにした一日だった。まだシーズンは始まったばかり。他のチームの動向も含め、これからの試合がますます楽しみだ。
おまけ:試合終了後、今シーズンからの試みとしてスタジアム敷地内に「アフター・バー」が設置された。勝ったときはもちろん、負けたら負けたで試合についてつらつらと観戦仲間と語るのも、サッカーの楽しみの1つなのであります。
てことで「長谷部、別格」「エメはきっと奥さんのことが心配で集中しきれなかったに違いない」「XXXX(自主規制)XXXX」……などと一杯やりつつ語っていたら、浦和レッズの取締役社長を務める犬飼基昭氏が、サポーター向けミーティングでの約束を守って登場。いかにも無念そうな表情で試合について語っていたが、「次勝てばギド(・ブッフバルト監督)が来ます」とのことだ。
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