海外の端末の機能が上がるごとに、日本メーカーが海外でもシェアを伸ばす機会が訪れるといわれ続けてきた。しかしこの1〜2年、各端末メーカーのシェア争いでは韓Samsungが一時的に世界第2位のメーカーである米Motorolaを抜いたり(2004年12月2日の記事参照)、韓LGが独SiemensやSony Ericssonと4位争いを演じているなど(1月28日の記事参照)、韓国メーカーが市場でのシェアを確実に伸ばしている(1月26日の記事参照)。
2005年は欧州やアジアで、続々とW-CDMAサービスが本格開始されようとしている。「W-CDMA技術で先行する日本メーカーに勝機あり」ともいわれており、実際にすでにHutchison3のサービス開始時から端末を納入しているNEC、また最近はシャープや東芝がVodafone向けにワールドワイドに端末を投入し始めた。日本メーカーの海外W-CDMA市場での動きは確かに活発になってきている。
とはいえ、市場を狙っているのは日本メーカーだけではない。韓国の各メーカーもW-CDMA端末のラインアップを着々と揃えており、W-CDMAという新たな市場でもリーダーシップを取ろうとしている。CeBIT会場で、その韓国各メーカーのW-CDMA端末に注目してみた。
W-CDMA端末では同じ韓国メーカーのLGにやや出遅れたSamsungだが、同社ブースでは先の「3GSM World Congress 2005」で発表された製品に加え、ハイエンド端末等を展示していた。中でも「SGH-Z700」は3メガピクセルカメラを備え、3Gグラフィックアクセラレーターやデュアルスピーカー搭載など同社W-CDMA端末のフラッグシップモデルになる端末だ。2005年末投入予定だという。
プロトタイプながら、HSDPA対応の携帯電話も展示されていた。ノートPCと接続して、FTPやビデオストリーミング再生デモなどを行うという趣向。スループットの理論値は最大1.8Mbpsだが、会場では実測1.0〜1.3Mbps程度の安定した速度でビデオ再生できていた。なお展示されていたHSDPA端末はまだ開発中のものであり、詳細スペックはまだ未定だ。
LGのW-CDMA端末は、昨年から市場に投入開始と「後発組」だ。しかしバランスの取れたU8100シリーズが、各国で人気となっている。現時点でW-CDMA端末市場における同社のシェアは54%(同社説明員)と、堂々シェアトップの座を得ている。
これまで同社は端末デザインや機能のマイナーチェンジのみで端末バリエーションを増やしてきたが、機能を向上した新モデル、U8200シリーズも登場し、さらにシェアの拡大を目指している。同社のブースには、初代から発売予定の新モデルまで歴代の全W-CDMA端末ラインナップが展示されていた。
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