最新のT9ダイレクト搭載〜「N901iC」の文字入力を試す効率よいメール入力を考える(1/3 ページ)

» 2005年03月28日 20時58分 公開
[太田純,ITmedia]

 2002年に発売された「N504i」以来(2003年8月の記事参照)、NECは「T9」(ティーナイン)と呼ばれる短縮入力方式にこだわり続けてきた(用語参照 )。T9は米Tegic Communicationsが開発したシングルタップの入力方式で、もともと英文の短縮入力を行うために設計されている。

 日本語T9はすべての文字を「あ」段で入力し、マッチする読みを辞書から検索する仕組みだ。例えば「公開」「傾向」「買い替え」を入力するには、いずれも「かあかあ」と打てばいい。

 当初の日本語T9は、入力から読みへの変換だけを担当していた。このため、例えば「公開」を入力するには「かあかあ」をT9で「こうかい」に変換し、さらにかな漢字変換で「公開」にするという二段階のプロセスが必要だった。

 NECにはワープロ“文豪”やPC-9801/9821シリーズで培った“AI辞書”というかな漢字変換技術があり、携帯端末でもT9と組み合わせて使われてきた。

 「N901iC」(2004年11月の記事参照)に搭載されている“T9ダイレクト”には新しい“T9漢字変換モード”が搭載されている。このモードは読みへの変換とかな漢字変換を融合し、1回の操作で「かあかあ」を「公開」に変換することが可能になった。従来の操作が好みなら、これまでと同じ“T9かな変換モード”も選べる。

 “T9漢字変換モード”が搭載された「N901iC」

T9ダイレクトの実力を試す

 T9ダイレクトでは、文字を入力するとその文字に対応するさまざまな読みの漢字候補が候補ウィンドウに表示される。「↓」を押すかニューロポインターを動かせば候補カーソルが現れるので、ほしい単語が候補にあればそれをそのまま選択すればいい。候補がなければ変換操作を行い、必要な単語を選ぶことになる。

 候補選択は上下左右キーあるいはニューロポインターで行う。ニューロポインターは決定キーに組み込まれていて、ずらすように動かすことで任意の方向にカーソルを移動できる仕組みだ。これはカーソル移動を行う内蔵アプリケーションで利用できる。

 なおニューロポインターはそれなりに便利だが、人によっては慣れるのに時間がかかるかもしれない。決定キーを押そうとしてカーソルを移動させてしまい、気付かないうちに別の候補を選んでしまうことがあるからだ。

 T9漢字モードで例文を入力してみよう。

例文1 大学を卒業して出版社に就職し、今では中堅編集者として活躍している。
入力1 だあがかわ↓(大学を) さたがやあさた↓(卒業して) さやたばわさやな↓(出版社に) さやあさかさ↓(就職し) 、 あまだは↓(今では) たやあかわ↓(中堅) はわさやあさやたさた↓(編集者として) かたやかさたあら↓(活躍している) 。
例文2 中央線が事故で止まっているので少し出社が遅れます。
入力2 たやあああさわが↓(中央線が) ざかだ↓(事故で) たまたたあらなだ↓[変換](止まっているので) 、 さかさ↓(少し) さやたさやが↓(出社が) あからまさ↓(遅れます) 。
例文3 銀行行ってる暇がないんだけど2万ほど下ろしておいてくれない?
入力3 がわかあ↓(銀行) あたたら↓[変換](行ってる) はまが↓(暇が) なあわだかだ↓[変換](ないんだけど) か↓(2) まわはだ↓(万ほど) あらさたああた↓[変換](下ろしておいて) からなあ↓[変換](くれない) ?


 「さやあさかさ」と入力すると「就職し」などの候補が表示され、カーソル位置の読みは選択中の候補に対応したものになる。候補一覧に数字列の候補もあることが分かる(左)。ニューロポインターを動かすと矢印カーソルも表示される(中央)。目的の単語がないときは、同じ読みの単語を選んで[変換]を押し、変換候補一覧から単語を選ぶことになる(中央、右)
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