「PENCKのフォントを作ったのは私です」──真の作者にKDDIが謝罪

» 2005年03月29日 17時03分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 KDDIのau design project端末「PENCK」(2月24日の記事参照)がデザインを巡るトラブルに巻き込まれた。端末のテンキーに使われたフォントをKDDIは「サイトウマコト氏の手によるもの」としていたが、実際には足立裕司氏の手による「Major Kong」フォントが使われていたことが判明。KDDIが足立氏に謝罪した。

 この事実は、Webサイトによる足立裕司氏の訴えがきっかけでが明るみに出た。同氏はサイト上で、Major KongとPENCKに使われたフォントのアウトラインデータを重ね合わせるなどの検証を行い、自身のフォントと同じであることを主張。Major Kongについて“フリーフォントであり、商用利用の許諾の必要はなく使用料も無料だが、著作権は放棄していない”というコメントを出している。

 足立裕司氏が公開したWebページ。「9031.comのフリーフォント「Major Kong」がau by KDDIの携帯電話「PENCK」で使われている件について」と題されたこのページで、PENCKに使われているのが自身のフォントであることを訴えた

 KDDIは今回の事態について、「現場のやりとりの中で、互いの確認が行われていなかったことが原因」と説明。au design project担当者がフォントのデザインを受け取った際に「サイトウ氏のデザインのこだわりで選んだ数字」という説明を受け、KDDI側はサイトウマコト氏がデザインしたものだと認識。媒体の取材時などにもそのような説明を行ったという。

 「著作者が分かっている場合は許諾を得るものというのが通例だが、PENCKに使われているのが『Major Kong』ということをKDDI側で把握していなかった」(KDDI)

 KDDIは3月28日に足立氏のサイトの存在を知り、事実確認を行った上で足立氏に電話で謝罪。PENCK関連サイトに、「Major Kong」がPENCKのテンキーに使われていることを明記し、PENCKのフォントについて報じる記事を掲載したサイトには訂正するよう働きかけることで合意を得た。

 デザインを担当したサイトウマコト氏も、既に足立氏に謝罪しており、問題解決のための話し合いを行っているという(3月29日の記事参照)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  5. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  6. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  7. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
  10. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年