弱いぞ関羽!〜携帯版「天地を喰らうII」モバイルコンテンツ・プチレビュー

» 2005年04月04日 18時20分 公開
[新崎幸夫,ITmedia]

 筆者が中学生、高校生ぐらいのころ(1990年代)、ゲームセンターのアーケードゲームで人気を博していたカプコンのゲームが2つあった。1つは「ストリートファイターII」。もう1つが「天地を喰らうII」だ。

 ストIIは携帯版がリリースされており、既にレポートをお届けした(1月20日の記事参照)が、天地を喰らうまで携帯に移植されたという。筆者は同ゲームが好きで、大阪のゲーセンでよく遊んだもの。操作体系も複雑なバリバリのアクションゲームだったが、携帯版はどうか?

Photo (C)CAPCOM 2005
コンテンツ名 天地を喰らうII
料金月額 月額315円(毎月1タイトルダウンロードできる『プラチナアプリ』として配信)
対応機種 FOMA900i、901i専用アプリ
アクセス 「メニューリスト」-「ゲーム」-「ゲーム」-「ミニゲーム」-「カプコンパーティ」

 天地を喰らうIIは、横スクロールのアクションゲーム。主人公は中国の伝奇小説「三国志」の登場人物となって、悪役の曹操を倒しに行く。途中現れるザコ敵を、ちぎっては投げ、ちぎっては投げするあたり、かなり爽快感があるゲームだ。

 2人同時プレイ(ゲームセンターの台によっては、より多人数も)が可能で、相棒と組んでプレイするとなかなか楽しかった。ただし残念ながら、今回の携帯ゲームでは1人プレイしかできないようだ。

「下を押して殴る」とどうなる?

 実際にプレイすると、ゲームの画質はかなりクオリティが高い。プレイの再現性も高く、ジャンプキック、必殺技、馬に乗っての攻撃……と多彩な攻撃方法が用意されている。

 個人的に注目のポイントは、「コントロールキーの下を押しながら攻撃する」とどうなるかだった。原作のアーケードゲームでは、下を押しながらなぐっていると1発、2発ダメージを与えた後、むんずと相手のむなぐらをつかむことができる。ここで相手を投げ飛ばすと、周囲の敵も巻き込んで吹っ飛ばせたのだ。この攻撃法が同ゲームの“基本”である。

 携帯版で試したところ、この攻撃法はちゃんと再現されている。ここで筆者の評価は一挙に高まった。……ただしこの評価は、後に少々変わることになる。

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関羽が弱い?

 同ゲームをプレイする上で気をつけなければならないのが、「選択したキャラによって難易度がかなり変わる」こと。一番強いのは、文句なしに関羽。趙雲や黄忠といったキャラは比較的弱かった。

 どう違うかというと、マッチョの敵キャラが突進してきても、接近戦に強い関羽ならぶんなぐって放り投げらる。しかし趙雲だと、あえなく吹っ飛ばされる――という具合。当時の仲間うちでは「関羽+魏延の組み合わせがベスト」ということで見解が一致していた。

 で、携帯版はどうか。当然のように関羽を選択してプレイしてみるが、何かが違う。なぜか、ザコキャラの攻撃をくらう。というか、李典にやられる。あの李典に! 要するに、勝手が違って難しいのだ。

 難しい理由としては、やはり操作性の問題がある。キャラの動きがやや遅い(鈍い)し、携帯の小さいボタンでは押し間違いも起きる。敵との間合いをはかり、右を向き左を向きと攻撃に熱中するうち、思うようにいかずじれったく感じることも。関羽はパワーがあるがリーチが短いため、1つ操作を誤るとボコボコにされるおそれがあるのだ。

 対策としては、ハンマーや剣といった武器を取ってリーチを長くすることが考えられる。要するに、遠巻きに敵を攻撃しているのが無難。黄忠を選んで、離れて弓を射かけるというゲームプランもあり、これはけっこうダメージを受けにくかった。ただ、接近戦に弱い黄忠で敵に囲まれると、それはそれで大変だったりするが。

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「携帯でアクションゲーム」の限界へ

 そのほか目についたところでは、敵にやられてもその場でコンティニューできる。ここがゲームセンターと違うところで、何度でもよみがえられるから、気楽にプレイできる。

 ステージ数は、原作より少し減らされた。たとえば「3人娘」と戦うステージなどはカットされている。とはいえ、手抜きと感じるほどではない。

 ただ全体な印象としては、前述のとおり「やっぱり操作が苦しいかな?」ということ。このため慎重な戦いぶりにならざるを得ず、敵が大勢ひしめく中に飛び込んで大暴れするという快感が味わいにくい。もっとも、アクションゲームは難しいぐらいがちょうどいいもの。携帯であえて本格的なアクションゲームを配信しようという、その心意気は高く評価したい。

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