Nokiaは“マルチメディア機能の全部入り”ともいえる音楽携帯「N91」を、マレーシアで開催中のイベント「NOKIA Multimedia APAC Launch Event」で披露した。年末を目処にリリース予定で価格は700ユーロ程度になる見込み。
Nokiaが新たな製品ラインとして打ち出す「Nseries」の1モデルとして登場。NはNewとNextを意味しており、同社は今後、マルチメディア機能にフォーカスした端末をNシリーズとして開発する計画だ。なお、今回発表されたNseries3モデルは日本語をサポートしており、W-CDMA/GSMの端末でもあることから「日本市場向けにも適切な形で投入したいと考えている」(Nokia)という。
Nシリーズの中でのN91の位置付けは音楽携帯。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズやMotorolaが音楽携帯を発表して注目を集める中、Nokiaも音楽機能を前面に押し出した端末を投入し、市場にアピールしたい考え。音楽機能のほかにも4GバイトHDD、無線LAN、Bluetooth、フルブラウザ、USB 2.0、200万画素CMOSカメラ、プッシュ・ツー・トークをサポートするなど、最新の技術を惜しみなく搭載している。
初代iPodと同じ4GバイトのHDDを搭載した点も注目度が高いが、ほかにもユニークな音楽機能が搭載されている。作成したプレイリストをSMSやMMS、Eメール、Bluetooth経由で友達にのN91に転送できる機能がそれだ。
プレイリストを受け取った側は、登録された楽曲を何回か視聴できる。視聴可能な期限が過ぎたあとは、通信オペレーターが提供する音楽配信サービスからワンボタンで曲を購入する──といったサービスにも対応できる仕組みを端末側に用意した。
Nokiaは2月にB to B向けのデジタルメディアソルーション開発の大手Loudeyeと提携し、通信キャリア向けの音楽配信プラットフォームの提供に乗り出している。同プラットフォームもプレイリストを通じた視聴や購入の仕組みを用意しているといい、音楽配信サービスを自社で持っていない通信キャリアには、インフラ面でのサポートも行う方針だ。4月28日にはO2 Germanyが、このプラットフォームを採用すると発表している。
音楽プレイヤーとしての実力もなかなかのものだ。音楽を聴きながらのEメール操作やWeb閲覧などの各種操作が可能。「ムービーの録画以外、ほとんどの機能を音楽を聴きながら利用できる」(説明員)。音楽を聴いている際に通話やメールが着信した場合は音楽が一時停止状態になり、操作が終わると音楽が再生されるという。
取り込み可能な楽曲ファイルのフォーマットは、MP3、AAC、AAC+、WAVなど9種類。USBケーブルでPCとつなぐとHDDとして認識され、「PC内にある楽曲ファイルをドラッグ&ドロップで書き込める」(説明員)。音楽の連続再生は12.5時間程度だという。
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