3Dゲームは韓国携帯の新しいキラー?韓国携帯事情(1/2 ページ)

» 2005年05月09日 19時38分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]

 現在の韓国の携帯市場を語るうえで欠かせない話題が、「3Dゲーム」だ。今年に入って各社が3Dゲームフォンを次々発表すると、それと歩調を合わせるように、キャリアでも3Dゲーム専用Webサイトをオープンさせた。まだまだ始動したばかりの3Dゲーム市場だが、今年の韓国市場を象徴するキラーアプリケーションとなり得るかもしれない。

3Dゲームフォン花盛り

 3月にドイツで行われた「CeBIT 2005」では、韓国メーカーが3Dゲームを楽しむのにフォーカスした「3Dゲームフォン」の展示を行っていたが((2005年3月15日の記事参照)、韓国国内では既に3Dゲームフォンが続々出荷されており、キャリアが提供するサービスも登場している。まさに「携帯で楽しむ3Dゲーム」時代の幕開けを感じさせる。

 4月26日から29日にかけてソウルで行われた、ITの総合展示会「IT Korea-KIECO 2005」においても、携帯電話の展示は3Dゲームに関するものが多かった。

 特にスペースを別途設け、携帯端末を多く展示していたLGブースで注目を浴びていたのが「SV360」だ。これは先のCeBITでも展示されたもので、独自の「加速度センサー」を利用し、端末事体を動かすだけでゲームの操作が可能となる。今回の展示では端末のゲーム画面をテレビ出力し、モーションコントロール機能による操作を試すことができた。しかしそれ以上に特徴的なのは、SV360は端末の形状からして徹底的に「携帯で3Dゲームを楽しむ」ということに集中して作られているということだ。

LGの「SV360」で、スノーボードゲームを試してみた。コツをつかめば、キャラの微妙な動きを調節するのに便利。端末は軽く、両側にコントローラが付いているので握りやすく、携帯ゲーム機感覚で楽しめる

3Dゲームフォンの実力は?

 韓国では、携帯電話でゲームをする姿は既に一般的。日本同様ゲームアプリを提供する多くのコンテンツプロバイダーが存在するなど、携帯電話でゲームを楽しむ土壌が育まれてきた。過去にも3Dエンジンを搭載し、3D機能を実現する端末は存在したが、ハードウェア性能の限界もあって本格的な3Dゲームの実現はなかなか難しかった。

 しかし最近になって、携帯電話向けの高性能なアプリケーションプロセッサや、3D機能を強化したグラフィックチップが次々と登場。携帯電話で本格的な3Dゲームを実現できるプラットフォームが整備されてきた。

 高機能路線を走る韓国の携帯電話業界において、メガピクセルカメラやMP3プレーヤーに続く大きな目玉が「3Dゲーム」になるといわれており、各社ともゲーム機能に焦点を当てた端末の開発を進めている。

 先に紹介したSV360を見ても、PCのグラフィックボードで有名なATIの最新メディアプロセッサ 「IMAGEON 2300」を搭載し(2005年3月8日の記事参照)、秒間100万ポリゴンと初代プレイステーションに近い3D性能を実現するなど、携帯電話としてはかなりの高性能だ。

 また、これらの3Dゲームフォンはゲームすることを主体に置いているため、端末のデザインも携帯電話というより「ニンテンドーDS」やソニーの「PSP」などの携帯ゲーム機に近い形のものが多く、非常にユニーク。加えて遊びやすいよう設計されたジョイスティックや、QVGA液晶、ステレオサウンド、バイブレーション機能などを備え、徹底して「臨場感のあるゲームを快適に楽しめる」よう設計されている。

SKYからリリース予定の3Dゲームフォン「IM-8300」。SK Telecomの3Dゲームサービス「GXG」に対応。画面右上にある「GXG」ボタンを押すと専用ゲームを楽しめる。端末を横にして「携帯ゲーム機感覚で楽しめるような設計になっている」(SK Telecomブース担当者)
Anycall(Samsung)からKTF向けに、最近リリースされた3Dゲーム端末「SPH-G1000」。画面の真上と左右の上にあるボタンがゲームコントロールボタン。背面に付いているカメラのレンズは、カバーで保護できるようになっている
Pantech&Curitelの「PH-S6000」。Bluetooth搭載で、ヘッドセットはもちろん、対戦ゲームも可能となっている
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