作品名 | 甘い人生(A Bitter Sweet Life) |
監督 | キム・ジウン |
制作年・製作国 | 2004年韓国作品 |
感情などまったく持っていないかのように、裏社会のルールに従って裏切り者を切り捨て、今の地位を手に入れたソヌ。高級レストランの支配人というのは表の顔、裏ではマフィアのボス・カン社長の右腕として、信頼を受けていました。
敵対する組織に対しても一切妥協せず自らの拳で倒し、優位な立場を誇示。そんなソヌを頼もしく思うカン社長は、今ではナンバー2として一目置くまでになっていました。
ある日、カン社長はソヌを呼び出します。若い娘を本気で愛していると打ち明けるカン社長。出張で留守をする間に、自分の愛人を監視してほしいと頼んできたのです。他の誰にも秘密にしているこの件を、ソヌに託したのでした。
「男と会っていたら、俺に電話しろ」
そう言い放つカン社長の目は鋭く光ります。他の男がいるのではと疑っているカン社長は、ソヌに釘を刺します。
「他の男とデキていたら、俺に電話するか、お前がカタをつけろ」
裏切ったらどういう目に遭うか、ソヌは承知します。
さっそく愛人宅へ向かったソヌ。そこにいたのは、あどけなさの残る少女ヒスでした。自分たちの住む世界とは無縁な、チェロを弾くヒスの清らかな笑顔に、ソヌはとまどいます。奔放なヒスは、ソヌを“おじさん”と呼び、親しげな態度で送り迎えをしてもらうように。演奏中のヒスの姿に見とれてしまうソヌでしたが、カン社長の命令は忘れていません。練習の後に1人で帰ったヒスを家の前で待っていると、そこには若い男の姿が。
ソヌは男を容赦なく殴りつけ、カン社長に連絡しようとします。泣き崩れるヒス。
「わかってるね」
携帯電話を取り出したソヌでしたが、ヒスを見ているうちに電話をかけるのを止めてしまいます。
「チャンスをやる。2度と会うな」
男と別れて、何もなかったことにすれば、カン社長に黙っておくと約束したのです。ヒスは深く傷つきましたが、ソヌはこうすればすべてが丸く収まると思ったのです。しかし、それはカン社長への裏切り行為……。
出張から戻ったカン社長に、「何もなかった」と報告するソヌ。カン社長は嘘を見抜いているかのように、ソヌを睨みつけます。
「本当の理由を言え! あの女を好きになったのか!」
ソヌの言い分も聞かず、立ち去るカン社長。こうしてソヌは、今まで抑えつけていた組織に一斉攻撃され、また仲間からも追われる立場になってしまいました。ヒスを守るために、ソヌは破滅の道を選んでしまったのです。
多くの敵から、究極の武器として携帯電話のバッテリーまで使って、たった1人で立ち向かうソヌ。後半のスリリングな展開に、携帯電話が大活躍します。ソヌが携帯電話を持って終わるラストシーン−切ないイ・ビョンホンに痺れます。
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