中国の小型PDA携帯やメディアプレーヤーに注目CeBIT Asia 2005

» 2005年05月16日 22時13分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 アジア最大規模の国際情報・通信技術の総合見本市「CeBIT Asia 2005」が、5月11日から5月14日まで上海で開催された。会場は昨年に引き続き「上海新国際見本市会場」だ。

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 今年のCeBIT Asiaは、ビジネス向け展示の「Digital Work」とコンシューマー向け展示の「Digital Living」の2つに会場が明確に区別された(1月28日の記事参照)。このうちコンシューマー向けの展示は昨年より大幅に減り、ビジネス向けの商談スペースが大半を占めたため、昨年とはだいぶ雰囲気の異なる展示となっていた。

 コンシューマー向けでは携帯電話メーカーの出展はわずかに中国メーカー1社。その反面、多かったのがPC周辺機器メーカーやネット関連企業の展示で、会場の大半を占めていた。

中国普天は最新携帯電話を展示

 会場内で唯一、コンシューマー向けに携帯関連の展示を行っていたのは中国の大手携帯メーカー普天。現行機種や、携帯関連設備の展示を行っていた。

 注目はLinux採用ながら、手のひらサイズのPDA内蔵タイプの携帯電話「ES1008」。87×48×22ミリと小型化した点が特徴だ。タッチパネル採用で手書き入力も可能。CDMA2000対応版もリリースされるという。

 中国ではビジネスマンなどにこのスタイルの端末が人気だが、ES1008はサイズを小型化することで女性ユーザーなどもターゲットにしている。

Photo 普天は携帯電話の現行ラインナップすべてを展示
Photo Linux OS搭載のES1008。発売は子会社のEASTCOMから。GSM 900/1800MHz対応、26万色液晶、64和音、内蔵カメラはCMOS 130万画素。スマートフォンというにはやや非力だが、PIM関連ソフトは一通りのものが内蔵されている
Photo 中国らしい色使いのモデルも。赤は女性向け、金色は本物の14金で筐体の一部をメッキした特別限定版(展示品はモックで金色の塗装)
Photo 子供向け簡単電話のH1002こと「見見通」。カラフルなカラーリングや、おもちゃのようなデザインが目をひく
Photo 普天はOEM生産も行っている。これは三洋電機の中国向けCDMA 2000端末で、三洋と普天のデュアルブランドとなっている

メディアプレーヤーが目立つコンシューマゾーン

 コンシューマー向け展示で目立っていたのは、デジタルメディアプレーヤーだ。音楽再生プレーヤーはすでに中国でも普及が始まっているが、今年の展示ではビデオ再生プレーヤーを多く見かけた。台湾や中国メーカーを中心に数社が展示を行い、中には日本円で10万円を越える高価なものもあった。各社とも「富裕層向けにマーケティングしていく」と話す。

 仏ARCHOSは、最新のメディアプレーヤー「RV700」を展示していた。7インチTFT液晶、40GバイトHDD内蔵、「Linux搭載でネット接続も可能」だと説明員。価格は8000人民元前後の予定だ。

Photo RV700

 台湾PQIのブースでは、「mPac P800」を見ることができた。主要フォーマットに対応しており、FMラジオ内蔵でラジオ録音も行える。約7000人民元とこちらも高価だ。「P600」は、中国内で6月発売予定。1.8インチHDD採用と折りたたみスタイルで小型化を図っている。GPS内蔵で車載へのニーズも見込む。

Photo 左から、mPac P800、P600

 中国の大手TVメーカー、長虹は液晶TVやポータブルDVDプレーヤーに加え、開発中のハードディスク内蔵メディアプレーヤーを参考出品した。中国では国内メーカー同士によるTVやDVDプレーヤーの販売競争が激しく、各メーカーは次世代の主力製品の1つとしてメディアプレーヤーの開発も行っている。

PHoto 長虹ブースにもメディアプレーヤーが

 デジカメやメモリを製造するDEC中恒は、SDカード利用の「PMP 101」を展示。日本円で2万円前後と、ハイエンドの音楽プレーヤーと同等の価格に抑えている。本体内にも128Mバイトのメモリを内蔵し、AVI、MPEG-4、MP3などの再生に対応。

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 今年のCeBIT Asia 2005はモバイル系のコンシューマー向け展示がほとんど姿を消し、昨年のような大手メーカー同士の派手な展示が影を潜めた。若干の寂しさを感じたが、中国ではまもなく3G解禁と言われている。モバイル系の展示は、来年の展示会に期待したい。

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