312Kbpsで受信中――ボーダフォン、地デジ携帯のデモ

» 2005年05月26日 18時43分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 5月26日から開催されているNHKの「技研公開 2005」で、ボーダフォンの地上デジタル放送対応端末が展示されている。同端末は、6月から「愛・地球博」でも出展される予定のもの(5月12日の記事参照)

Photo 端末は、会場2階にある。320×240ピクセルで映像表示されていた

 通信用アンテナのほかに、放送用アンテナが内蔵されている。デモではショーケースの中に発信アンテナが設置され、実際に映像を受信するかたちで展示されていた。

 パラメータ設定は、映像128Kbps、音声64Kbps、データ約60Kbps。総ビットレートは312Kbpsで受信しているという。地上デジタル放送では、電波が受信できている限りこのビットレートは変わらない(2004年10月19日の記事参照)。なお、本放送のパラメータは別途検討中とのこと。

 映像は、NHK総合なら15fpsで、NHK教育は10fpsで視聴できた。画面上半分が映像用エリアで、下半分が通信用エリアというスタイル。映像を全画面表示に切り替えることも可能だった。

 会場では、来場者が実機を手にとって操作できるコーナーも設けられていた。愛・地球博向けに制作した放送コンテンツを端末で受信するという趣向で、コンテンツを配信していた。

Photo (左)実際に触れる端末が複数台用意されている。手にとるには一度列に並ぶ必要がある(右)実際の画面。放送エリアと通信エリアの境目に、テロップも流れている
Photo エミュレータで、通信エリアの操作を説明していた。混雑状況のチェックや、交通機関の運行状況確認などが行える

 映像の連続再生時間は、約2時間。説明員によると、「放送だけでは双方向通信を行わないため、それほど電池の減りが激しくない。画面を多少操作しているぐらいなら、問題なく2時間使えた」とのことだった。

エンコーダ、BMLブラウザの展示も

 NHKが独自開発した、AVC/H.264のエンコーダも披露されていた。NHK技研と富士通研究所が共同開発したものだという。

Photo エミュレータ上で、実際に動画を見比べることが可能になっていた
Photo ソフトウェアエンコーダを稼動させていた

 従来のエンコードに比べ、時間、空間両面でフィルタリングすることでノイズを削減。映像の劣化の目立つ領域に優先的に情報を配分するほか、画面が大幅に変化する(シーンチェンジ)際に「シーンチェンジ検出」を行い、適応的な制御を行うことで画質を上げるという。「エンコードに伴う遅延は2秒ほど」(説明員)

 会場では、独自開発の携帯向けBMLブラウザも展示されていた。TS(トランスポート・ストリーム)信号をケーブル入力してWindows上で動かせるもので、H.264の映像、およびAAC音声のデコード機能を追加できるため、PC上で携帯の視聴環境を再現できる。

 説明員は、「GPSの緯度経度情報を手入力して、『都内のユーザーにのみ特定の情報を配信できているか』もチェックできる」とした。

Photo

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