シナリオライター★松本マリコの課題「パソコン返してよ!」Mobile&Movie 第164回

» 2005年06月03日 10時43分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名シナリオライター★松本マリコの課題
監督中村拓
制作年・製作国2005年日本作品

 今回ご紹介する作品は、オセロ松嶋尚美さんの初主演映画『シナリオライター★松本マリコの課題』。新人シナリオライター・マリコは、締め切り前日にシナリオを書いていたノートPC(PowerBook)を、他人のものと取り違えてしまうのです。PCが入れ替わるなんて、なさそうでありそうな怖い話──。

 松本マリコは、横浜の山手に父親と2人で暮らしていました。念願叶って、やっとシナリオライターとしてデビューしたばかり。ローカルテレビ局のレギュラードラマ『ヨコハマ・チェーンソー』の第1回目のラストシーンを書きあぐねて、行きつけのカフェへ気分転換に。

 ノートPCを広げつつ、コーヒーを飲みながら、店内の人物観察をしていると、目の前の席に後姿の格好いい男性を発見。その男性もマリコと同じノートPCを広げ、またマリコと同じくタバコを吸いながらキーを叩いていたのでした。マリコの妄想では、男は風間トオルのようなルックス。妄想は膨らみ、風間トオルにシナリオを誉められてデレデレ……そこで我に返りトイレへ立つマリコ。ついつい妄想がエスカレートしてしまうのが、マリコの悪い癖なのでした。やがてシナリオも書き終え、マリコはカフェを後にします。

 家へ帰って、シナリオをメールで送ろうとノートPCを開くと、電源を入れて立ち上がった画面には見たことのない壁紙が。呆然とするマリコ。そこでマリコの携帯電話が鳴ります。

 「もしもし」

 「ヨコハマ・チェーンソー?」

 取り違えた相手は、すでにマリコのパソコンの中身を見てしまったよう。

 「もしかして、あのカフェの人?」

 マリコは、カフェで見かけた後姿と背中越しに見えていた自分と同じ機種のノートPCを思い出します。

 「どうしてわかったの!私の連絡先!」

 男はマリコのパソコンのデータの中から見つけたよう。

「もう1回あの店に戻って」

 とマリコは頼みますが

 「あきらめて」

 男はマリコのPCを返さないつもりのようです。マリコも男のPCの中からデータを引き出そうとしますが、すべてにパスワード設定がされていました。

 「こんなの映画の中でしか見たことない」

 思わずつぶやくマリコ。『ヨコハマ・チェーンソー』の原稿だけは返してほしいと頼むと、男はメールならできると指示を出します。友人に頼んで、メール設定を変更してもらい、男からのメールを受け取ったマリコ。第1回のシナリオは無事に送れましたが、男はマリコのシナリオをオリジナリティがないと批判。頭に来たマリコが

「パソコン返してよ!」

 と言っても、男は返してくれません。男の携帯電話の電源はほとんど切られていて、連絡も途切れがちに。それでも何となく謎の男を憎みきれないマリコ。シナリオに対する批評は、的を射ていたのです。マリコはその男のPCを使って、『ヨコハマ・チェーンソー』の続きを書き始めます。マリコは自分のノートPCを取り戻すことができるのでしょうか? そして謎の男の正体は?

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