ボーダフォンのW-CDMAローミングの実力は? ソウル市内で通話テスト韓国携帯事情(1/3 ページ)

» 2005年07月04日 20時25分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]

 ボーダフォンは6月7日から、韓SK TelecomのW-CDMA網を利用した国際ローミングをスタートしている(5月30日の記事参照)。これまで韓国内でのローミングに対応するのはauのグローバルパスポート端末のみで、海外に強いボーダフォンでさえ、わざわざ端末をレンタルする必要があった。そのため、今回W-CDMAによるローミングの実現を歓迎しているユーザーは多いことだろう。

 しかし気になるのが、実際の通話品質だ。韓国のW-CDMAは立ち上がったばかりなので(5月2日の記事参照)、どれくらい実用に耐えられるのか気になるところ。そこで早速、ボーダフォン端末を使ってソウル市内でローミングの通話テストを行ってみた。

ソウル市外にある国際空港では通じる?

 今回、利用した機種は「Vodafone 802SE」(ソニー・エリクソン モバイルコミュニケーションズ製)だ。テストはソウル北側から西側へ進み南、東と、反時計回りにソウル市内を巡りながら行った。実際に電話をかけてみたポイントは、繁華街など人の集まる場所、重要施設、そして日本人観光客の多い場所などで、それ以外はアンテナが立っているのかどうかを随時チェックした。アンテナの最大値は5本となる。

 まずはソウルに一番近い国際空港、仁川国際空港でアンテナの状態を試してみる。ここは仁川市というソウル市とはまた別の市となるが、さすがに韓国の入口とあって、アンテナは5本。通話も途切れずに行えた。

ソウル市外とはいえ、やはり国際空港内ではきちんと通じた

 空港からソウル市内までは、空港バスに1時間〜1時間半ほど乗らなければならない。ノンストップで高速道路を走るバスの速度は時速100キロ前後。高速道路に限らず、韓国の運転スピードはとにかく速い。ここでアンテナチェックをしてみたところ、最初はなんとか0〜2本程度立っていたものの、しばらく進むうちに圏外になってしまった。

 それでも一度試してみようと、アンテナの立っているうちにソウル市内の携帯電話に電話してみた。こちらから相手の声は聞こえるため何度か話しかけてみたものの、相手はこちらの声が聞こえない模様だ。「無言電話か」という独り言とともに切られてしまった。

バス内ではアンテナが立たず、通話もできない状態が続いた。ついには「利用ネットワークなし」というメッセージが出てしまった

住宅街では通じない?

 ソウル市内に到着し、いよいよ本格的なテストをスタート。最初のチェックポイントは、大統領官邸である「青瓦台」だ。ソウル市北端にある重要施設で、囲いの外から中の様子を見物できるため、日本人観光客の姿も見ることができる。

 ちなみにアンテナの本数は正面入口付近で3〜5本で、少し位置を変えると本数は増減するものの、通話は途切れなかった。

写真では確認しにくいが、青瓦台周辺では安定した通話ができた

 次に向かったのは青瓦台から地下鉄で20分ほど、ソウルの北西の端にあるワールドカップスタジアムだ。現在、スタジアムの一部はショッピングセンターや映画館に変わったほか、周辺には公園やアパートなどもあり、買い物やデート、観光などで人が集まる場所となった。

 スタジアム前のアンテナ本数は4〜5本。一見問題なく通話できるように見えるのだが、スタジアム内にあるショッピングセンターで発信したところ「プー、プー、プー」という信号音がして発信すらすることができず。これはワールドカップスタジアム駅やその一帯でも同じで、何度試してみても全く発着信できなかった。

ワールドカップ競技場前では、安定した通話が可能だったが、同じ建物の中にあるショッピングモールでは、全く通じなかった。※キャプションに誤りがありました。お詫びし訂正させて頂きます(7月5日付記)
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